第97回日本医療機器学会大会

講演情報

一般演題

洗浄評価

洗浄評価

2022年6月3日(金) 14:00 〜 15:00 第3会場 (アネックスホール F205+F206)

座長:谷野 雅昭(川崎医科大学)

14:20 〜 14:30

[19] 超音波洗浄における洗浄インジケータの適正使用について

柏井 伸子1,8, 阿部田 暁子2,8, 石黒 有希子3,8, 太田 知歩3,8, 松尾 明子3,8, 入江 悦子4,8, 小林 明子5,8, 鈴木 佐栄子6,8, 大町 智之7,8, 後藤 大地7,8, 伏見 了7,8 (1.㈲ハグクリエイション, 2.浅賀歯科医院, 3.医療法人社団成扶会馬見塚デンタルクリニック, 4.入江歯科医院, 5.小林歯科医院, 6.鶴見中央歯科クリニック, 7.ワタキューセイモア㈱, 8.グローバル医科歯科感染管理研究会)

【背景】
歯科診療所で用いられている超音波洗浄器
は小型であり,超音波発振子も1個または2個
のものが大半である.新規開業時に導入した超
音波洗浄器の稼働時に以前と変わらない音がし
ていると,洗浄効果が得られているととらえが
ちであるが,運転時適格性確認(Operational
Qualification:OQ)を実施しなければ的確に
把握することはできないため,6施設において
インジケータを用いて検証した.
【方法】
ヒューフレディ社製アドソンピンセット・へ
ガール持針器・マチュー持針器・歯肉ばさみ・
剥離子各5本を洗浄槽に積載して,水平的位置
の検証にはPEREG GmbH社製SonoCheckを左・
右の位置に配置し,また垂直的位置の検証には
底部・中央に配置して各15分間稼働させた.超
音波洗浄器はビィソニックス社製EXV-N3(3
施設)・カボデンタルシステムズ社製Q140Ag・
ジーシー社製ハイパワーソニックHS-I・共和
医理科社製KS-140Nの超音波洗浄器を用い,
15分間の稼働後に目視で色判定をおこなった.
【結果】
6施設中5施設で,緑色から黄色への変色に
はバラつきが大きく,日差変動が認められた.
左右差は4施設では右側が,2施設では左側の
反応が弱かった.上下差は4施設で3施設では
上のみが変化し,2施設では上下ともに変化が
認められなかった.考察同一の洗浄器において
も,バッチごとや洗浄槽内の水平的および垂直
的位置により変色状態に差があることから,積
載物の洗浄効果にも差が生じる可能性がある.
さらに洗浄器に積載する内容物の種類や量に
よっても影響を受けることが考えられる.
【結語】
当該インジケータは超音波洗浄器の稼働性
を確認するものであるが,本品単独での結果を
重視するのではなく,『医療現場における滅菌
保証のガイドライン2021』にも示されているア
ルミホイルによる検証も併用して,より確実な
洗浄効果が得られる最適な積載量や洗浄槽内の
位置を把握するように心がけたい.