第97回日本医療機器学会大会

講演情報

一般演題

医療機器管理

医療機器管理2

2022年6月4日(土) 09:00 〜 10:10 第4会場 (アネックスホール F204)

座長:野川 悟史(昭和大学藤が丘病院)

09:00 〜 09:10

[63] 非診療エリアにおけるX 線装置導入後の管理(1 年を経過して)

木野村 豊 (藤田医科大学サージカルトレーニングセンターカダバーサージカルトレーニング施設)

【目的】
藤田医科大学サージカルトレーニングセン
ター・カダバーサージカルトレーニング施設で
は,整形外科や脊椎・脊髄外科等のトレーニン
グでX線透視を必要とするため,移動型X線透
視装置(以下X線装置)を使用する.2021年度
の96回大会(WEB開催)で非診療エリアでの
X線装置導入時の管理について報告した.装置
導入後1年が経過したので,その後の管理内容
等について報告する.
【管理内容】
1.使用記録:本施設は診療機関に該当し
ないため,放射線照射録作成の義務は発生しな
い.照射録に代わる装置使用毎の独自の記録を
作成・保管.2.装置管理:始業終業点検,半
年毎の線量測定,散乱線分布測定.3.被ばく
線量管理:X線の使用により,トレーニングに
参加した医師への被ばく線量管理.
【結果】
1.使用記録は,使用日,使用目的,献体番号,
参加医師,放射線担当者,温度・湿度,放射線
量を記録し,A4用紙1枚にまとめてファイル
に保管している.2.装置管理は,始業終業点
検記録は装置使用時のみにおこない,イメージ
インテンシファイアの経年劣化の状態を推測す
るために,半年毎に線量測定をおこなっている.
診療施設の一部では撮影室に放射線散乱分布を
掲示し,無用な被ばくをしないように啓蒙して
いる.当施設で放射線を使用する医師は被ばく
について十分に自己管理をしているが,施設に
おける管理体制のアピールにもなる.3.被ば
く線量管理は,装置本体に線量記録システムが
搭載されており,透視時間等も把握できる.ま
た,ポケット線量計を装着し,その都度の個人
線量記録をおこなうようにした.
【まとめ】 
非診療エリアでもX線装置を取扱う以上は,
放射線装置管理や放射線管理は必要である.こ
れらの管理がしっかりできていることは,ト
レーニングスタッフへの安全・安心を生み,当
施設のアピールの1つになる.