第98回日本医療機器学会大会

講演情報

一般演題

滅菌業務管理

滅菌業務管理1

2023年6月30日(金) 16:00 〜 16:50 第3会場 (アネックスホール F205+F206)

座長:児玉 要輔(富永草野病院)

16:40 〜 16:50

[23] 滅菌供給部門における標準作業手順書に関する実態調査報告

久保木 修 (京滋滅菌業務研究会)

滅菌供給部門における再使用可能医療機器の再生処理は,QMSを基盤としたバリデーションに従って実施することが医療現場における滅菌保証ガイドライン2021で勧告されている.さらに重要項目として,文書化(プロセスを実行するための予め定められた指針と手順の組合せ.この例としては,標準作業手順書(以下 SOP)および作業マニュアルなどがある)は再生処理に欠かせない大切な項目である.今回,滅菌供給部門従事者に対して標準作業手順書に関する実態調査をおこなったので報告する.質問は,蒸気滅菌器のSOPと限定し,「蒸気滅菌器のSOPの有無」,「SOPを確認の有無と確認するタイミング」「SOPを確認しない理由」「SOPを使用するための施策」などとした.蒸気滅菌器のSOPの有無については,ある(66%),ない(19%),分からない(10%),該当しない(5%)であった.滅菌器操作時にSOPの確認については,はい(41%),いいえ(59%)であった.確認する場面は,複数回答で作業に不安を感じる(27%),指導の場面(23%),トラブル発生時(23%),久しぶり操作する時(17%)であった.一方で,滅菌器操作時にSOPを確認しない理由は,複数回答で操作に慣れているため(50%),操作が簡単でSOPを見るほどでもない(20%),SOPを見る時間がない(8%)であった.SOPを活用するための施策としては,複数回答で上位3項目の結果では,「使用しやすいよう機器の貼付する」,「SOPの見直しをおこなう」,「機器のタッチパネルにてSOPが表示される」などがあった.滅菌供給部門は病院の機能や役割,管理者専従の有無や従事するスタッフの人数など様々な条件が存在しているためSOPのあり方も様々存在すると考える.しかし.滅菌供給部門の業務は再現性が求められ,均質で安定したものが医療現場にリリースされなければならない.SOPが使いやすくするためにはハードおよびソフトの両面を再構築する必要もあると考える.