第98回日本医療機器学会大会

講演情報

一般演題

滅菌業務管理

滅菌業務管理2

2023年6月30日(金) 17:00 〜 18:00 第3会場 (アネックスホール F205+F206)

座長:濱中 郁恵(大阪大学)

17:40 〜 17:50

[28] 病棟・外来における滅菌物管理への取り組み

岩崎 直美1, 間平 珠美1, 深柄 和彦1,2 (1.東京大学医学部附属病院 材料管理部, 2.東京大学医学部附属病院 手術部)

【背景】
器材の不足から供給数把握のため,2014年に材料管理部として院内ラウンドをおこなった.そこで見えてきたのは紛失による器材不足と,保管の問題であった.そこで安定供給と適正な保管の管理のため院内のラウンドを続けていくことにした.そしてラウンド結果のフィードバックなどをおこない,器材の紛失や適切な保管の推奨に取り組んできたので報告する.
【方法】
2014年4月からより2023年3月に至るまで,年に3回対象部署のラウンドをおこない,結果を各部署にフィードバックしている.この間滅菌物の管理状況改善の有無を検討した.
【結果】
フィードバックの内容は適宜変更を重ね,現在は保管状況が良い部署の紹介を通じ正しい保管方法を繰り返し周知することで徐々に改善につながった.さらに保管管理に伴う負荷を軽減するため器材の使用状況と期限切れのデータのフィードバックを開始し,過剰に在庫を保有する部署の見直しをおこなっている.器材の減少についてはなかなか改善が見られないが繰り返し現状をしらせている.
【まとめ】
各部署の滅菌器材の管理に対する意識を高めることが必要である.また滅菌器材を適切に保管するためには,滅菌器材の在庫数を使用状況に合わせて,必要以上の器材を滅菌せず管理しやすい状態にし,滅菌器材を早く回転させ保管期間を短くすることが望ましい.しかし,在庫数の多さゆえに管理が難しい部署や,使用期限切れが多い部署もある.そこで使用状況を知らせることで在庫数の見直しの提案もおこなっている.限られたスタッフ数で日々の器材の再生処理業務に追われるため,頻繁に院内各部署を訪問し,滅菌器材の保管状況をチェックすることは困難である.だが,院内各部署がより管理しやすい状態になるよう,これからも年3回のラウンドを継続し適切なフィードバックを続け,私たちの役割を果たしていきたい.