17:00 〜 17:10
[54] 二酸化炭素吸収帯赤外線カメラを用いたリーク可視化システム構築のための基礎的検討
【背景】
人工呼吸器や麻酔器を使用する際には,回路破損や接続不良による換気不足を防止するためにリークテストや換気量確認がおこなわれる.一方,ピンホールなどの小さな回路リークは発見が困難なことがある.
【目的】
今回,二酸化炭素が射出する赤外線を映像化することが可能な冷却型の赤外線カメラを用いて回路リークを可視化するための基礎的検討をおこなった.
【方法】
赤外線カメラは,FLIR社製A6796(波長感度4.2μm)を用いた.人工呼吸器と麻酔器に 0.7mmΦのピンホールを作成した回路を取り付け,回路内には酸素に二酸化炭素を5%付加した.リークテストは閉鎖回路とし,回路内圧が 40cmH2Oになるよう調整した.換気中の確認は,換気モードをA/C,1回換気量500ml,換気回数を15回/分,I:E比1:3,PEEP4cmH2Oに設定した.本条件下で撮影をおこなった.
【結果】
閉鎖回路による圧力低下は,0.5cmH2O/秒であった.麻酔器リークテスト中の撮影では,回路ピンホール部からのガスリークを映像として容易に捉えることができた.呼吸器換気中のリークでは,二酸化炭素温度が低い場合,人工呼吸器排気口からの排出ガスの影響を受けて回路ピンホール位置が不明瞭であったが,赤外線受光時間の調整や炭酸ガスの温度を体温程度に高めるとコントラストが明瞭となり,リーク箇所が明確になった.
【考察・結語】
呼吸回路に関連したヒヤリ・ ハット事例は,回路の接続誤りに次いで回路外れやリークが多いことが報告されている.リーク発生箇所や発生しやすい状況を意識,注意しても,使用前リークテストにおける閉鎖回路の内圧値低下が少ない,あるいは換気中の換気量変化が小さい条件では早期検知が難しいことから,リーク箇所を可視化することは有用な方法であると考える.結果より,ガス温度差がある場合は映像のコントラストがつきやすく,外因を受けにくくなることから,呼吸器使用中の患者呼気側リークは見つけやすいと思われる.
人工呼吸器や麻酔器を使用する際には,回路破損や接続不良による換気不足を防止するためにリークテストや換気量確認がおこなわれる.一方,ピンホールなどの小さな回路リークは発見が困難なことがある.
【目的】
今回,二酸化炭素が射出する赤外線を映像化することが可能な冷却型の赤外線カメラを用いて回路リークを可視化するための基礎的検討をおこなった.
【方法】
赤外線カメラは,FLIR社製A6796(波長感度4.2μm)を用いた.人工呼吸器と麻酔器に 0.7mmΦのピンホールを作成した回路を取り付け,回路内には酸素に二酸化炭素を5%付加した.リークテストは閉鎖回路とし,回路内圧が 40cmH2Oになるよう調整した.換気中の確認は,換気モードをA/C,1回換気量500ml,換気回数を15回/分,I:E比1:3,PEEP4cmH2Oに設定した.本条件下で撮影をおこなった.
【結果】
閉鎖回路による圧力低下は,0.5cmH2O/秒であった.麻酔器リークテスト中の撮影では,回路ピンホール部からのガスリークを映像として容易に捉えることができた.呼吸器換気中のリークでは,二酸化炭素温度が低い場合,人工呼吸器排気口からの排出ガスの影響を受けて回路ピンホール位置が不明瞭であったが,赤外線受光時間の調整や炭酸ガスの温度を体温程度に高めるとコントラストが明瞭となり,リーク箇所が明確になった.
【考察・結語】
呼吸回路に関連したヒヤリ・ ハット事例は,回路の接続誤りに次いで回路外れやリークが多いことが報告されている.リーク発生箇所や発生しやすい状況を意識,注意しても,使用前リークテストにおける閉鎖回路の内圧値低下が少ない,あるいは換気中の換気量変化が小さい条件では早期検知が難しいことから,リーク箇所を可視化することは有用な方法であると考える.結果より,ガス温度差がある場合は映像のコントラストがつきやすく,外因を受けにくくなることから,呼吸器使用中の患者呼気側リークは見つけやすいと思われる.