09:25 〜 09:50
[特別講演2] ディスポーザブル製品の開発について
~医療安全への貢献を目指した輸液ライン関連製品の開発事例紹介~
テルモ㈱は、1960年代から院内感染対策を目的に、針やシリンジ、真空採血管のディスポーザブル化を推進し、以降も時代ごとの医療現場が抱える課題を真摯に受け止め、安全で安心な医療への貢献を目指して様々なディスポーザブル製品の開発を続けている。
院内全体で様々な医療者に広く使用されるようなディスポーザブル製品は、診療科や使用者によって異なる課題や改善要望を有していることが多い。開発者はそれら多くの要望にできる限り応えたいという想いが強い一方で、個別課題にフォーカスしすぎると製品仕様数は増加する傾向となり、開発・生産効率が悪化してしまう実態もある。結果として、適正価格での製品提供が困難になってしまうことは医療者、企業お互いに望むところではないであろう。そのため、幅広い情報収集から全体最適の解決策を考え、製品仕様に反映させることが重要であると考えている。医療者との直接のディスカッションに加え、日本医療機能評価機構から公表されている医療安全情報等も踏まえ、解決すべき課題の明確化をおこない、製品開発・改善をおこなっている。
また、いかに良い解決策を考案できたとしても、製品自体の使用方法を大きく変えてしまうと、大掛かりな院内教育が必要となることも多く、その負担感を十分に考慮しなければならないことを認識している。そのため特に近年では、開発途中の製品について、医療者が直感的に使用できるか、使用中にトラブルにつながりそうな事象はないか、といった内容を細かく観察確認する「ユーザビリティ評価」を重視し、試作を繰り返しながら製品仕様を固めている。
今回はこれらの取り組みについて、輸液ライン関連製品の開発活動の事例を通してご紹介する。また、高品質かつ均質な製品を提供するために重要な製造準備や生産時の取り組み・工夫等についても紹介したい。
患者さんへのより良質な医療の提供に向けて、本講演が少しでもお役に立つのであれば幸いである。
院内全体で様々な医療者に広く使用されるようなディスポーザブル製品は、診療科や使用者によって異なる課題や改善要望を有していることが多い。開発者はそれら多くの要望にできる限り応えたいという想いが強い一方で、個別課題にフォーカスしすぎると製品仕様数は増加する傾向となり、開発・生産効率が悪化してしまう実態もある。結果として、適正価格での製品提供が困難になってしまうことは医療者、企業お互いに望むところではないであろう。そのため、幅広い情報収集から全体最適の解決策を考え、製品仕様に反映させることが重要であると考えている。医療者との直接のディスカッションに加え、日本医療機能評価機構から公表されている医療安全情報等も踏まえ、解決すべき課題の明確化をおこない、製品開発・改善をおこなっている。
また、いかに良い解決策を考案できたとしても、製品自体の使用方法を大きく変えてしまうと、大掛かりな院内教育が必要となることも多く、その負担感を十分に考慮しなければならないことを認識している。そのため特に近年では、開発途中の製品について、医療者が直感的に使用できるか、使用中にトラブルにつながりそうな事象はないか、といった内容を細かく観察確認する「ユーザビリティ評価」を重視し、試作を繰り返しながら製品仕様を固めている。
今回はこれらの取り組みについて、輸液ライン関連製品の開発活動の事例を通してご紹介する。また、高品質かつ均質な製品を提供するために重要な製造準備や生産時の取り組み・工夫等についても紹介したい。
患者さんへのより良質な医療の提供に向けて、本講演が少しでもお役に立つのであれば幸いである。