日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

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一般演題ポスター

一般演題ポスター 磁気刺激

[P10-3] パーキンソン病患者の一次運動野における神経可塑性異常と病態の関連

守安正太郎1, 清水崇宏1, 本田誠1, 宇川義一2, 花島律子1 (1.鳥取大学 医学部 医学科 脳神経医科学講座 脳神経内科学分野, 2.福島県立医科大学医学部ヒト神経生理学講座)

【目的】4連発磁気刺激法(QPS)を用いてパーキンソン病(PD)患者の一次運動野(M1)における神経可塑性異常と病態の関連を明らかにする.【方法】対象はPD患者12名.M1に長期増強(LTP)様効果を誘導するQPS-5 を与え,QPS前後での運動誘発電位振幅の比(MEP比)をLTP様効果の指標とし,L-dopaのある状態(on)とない状態(off)で比較した.MEP比とMDS-UPDRS part 3の関連も検討した.【結果】MEP 比はoffと比較してonで有意に増大した [MEP比(mean±SE)off: 1.21±0.12 vs on: 1.50±0.20 , p=0.023].MEP比とonのMDS-UPDRS Part 3に負の相関を認めた(ρ=-0.65).【考察】L-dopaはPDにおいて神経可塑性を回復させた.神経可塑性の程度と運動症状の重症度に相関を認め,疾患の重症度の指標となる可能性がある.