日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

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一般演題ポスター

一般演題ポスター 末梢神経疾患

[P21-18] Preligamentous typeの正中神経反回枝変異を呈した手根管症候群の1例

立山佳祐, 神林隆道, 畑中裕己, 園生雅弘 (帝京大学 医学部 脳神経内科)

【症例】45歳男性,調理師。1ヶ月前より包丁でうどんを切り続けると右母指から中指がじんじんするようになり当院受診。右母指から環指撓側に感覚鈍麻を認め,Tinel徴候陰性Phalen徴候は陽性。短母指外転筋(APB)の筋力低下は認めず。左手には診察上異常はなかったが違和感は自覚。右で、APB記録正中神経MCSは遠位潜時(3.7 ms; 基準値< 3.85 ms)CMAP振幅正常だが,正中神経SCV 37 m/s、SNAP振幅3.7 μVで、2L/IO法、母指感覚枝も含めて中等度のCTSを示唆する所見であった。一方左では、APB記録正中神経MCSでは遠位潜時軽度延長(4.0 ms)を認め,正中神経SCV 48 m/s、SNAP振幅15.5 μVで、軽度CTSの所見であった。【考察】右側はAPBへの運動枝のみ障害を免れており、正中神経反回枝は屈筋支帯より近位で分岐するpreligamentous typeであると考えられた。NCSはこのような反回枝の同定にも役立つ。その認識は手術時の神経損傷を避けるためにも重要である。