日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

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一般演題ポスター

一般演題ポスター 神経筋接合部・筋疾患

[P22-8] 神経反復刺激試驗において漸減現象を認めた特発性炎症性筋疾患の1例

今野正裕, 神林隆道, 小林俊輔, 園生雅弘 (帝京大学 医学部 脳神経内科)

【症例】59歳女性。関節リウマチにて他院で治療中。1年半前から両上肢挙上困難,首下がり,階段の登りづらさを自覚。症状は緩徐に増悪し当科受診。複視や眼瞼下垂はなく,頸部伸筋・屈筋および両上肢近位筋に目立つ筋力低下,および上肢遠位筋や下肢近位筋にも軽度筋力低下認めたが易疲労性は認めず。広範な筋力低下の分布からも当初ALSが疑われた。神経反復刺激試驗(RNS)では正中,副,腋窩神経などで漸減現象を認めた。一方で針筋電図検査では明確な筋原性変化を認めミオパチーが疑われた。血液検査でCKは208 U/Lと軽度高値。抗AchR抗体は陰性。左上腕二頭筋からの筋生検では筋炎に合致する所見を認めた。【考察】筋疾患におけるRNSの漸減現象は先天性ミオパチー,先天性ミオトニーなどで報告されているが,炎症性筋疾患においてもRNSでの漸減現象が認められる場合がある。本例では重症筋無力症を示唆する臨床所見,血清学的所見は認められなかった。