第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

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2.悪性腫瘍・手術

[P02-02] 当科における下顎再建方法の治療目的・目標設定とGRADEシステムによる治療介入の標準化を目指した後方視的検討

〇柚鳥 宏和1、冨永 萌1、野海 健太1、山隈 優1、清宮 康隆1、金氏 毅1、山下 善弘1 (1.宮崎大学感覚運動医学講座顎顔面口腔外科学分野)


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口腔がん治療において再建術を行う目的は、手術などで生じた組織欠損を修復することにより、術後の機能障害や整容障害をできるだけ軽減し、QOLを向上させることにある。

 下顎一次再建では、血管柄付き骨移植、下顎再建プレートと軟組織(皮弁や筋皮弁)の併用、軟組織のみの移植の3方法に大別される。再建方法の第一選択は多くの利点を有していることから血管柄付き骨移植とされているが、患者の年齢や合併症、癌の進行度、術後機能、下顎骨や周囲組織の切除範囲などを考慮して選択されているのが現状であり、下顎再建を含めた顎顔面口腔再建の標準化は極めて難しい。しかし、がん治療のみならず、医療全体が科学的根拠重視、標準化の流れであり、下顎再建においても標準化の取り組みを怠れば国民の支持は得られない。

 今回われわれは、2015年から2020年の5年間に初回治療てして行われた下顎一次再建症例29例を対象にアウトカムを通して、目的・目標設定と介入因子が妥当であったかを後方視的検討し、GRADEシステムによる治療介入の標準化の可能性を検討した。

部位は下顎歯肉22例、口底3例、頬粘膜3例、舌1例。男性17例、女性12例、年齢は52~91歳であった。CAT分類ではCAT1例、ATT8例、T2例、TT1例、A9例、AT5例、body3例であった。再建方法は肩甲骨13例、腸骨8例、腹直筋2例、広背筋3例、大胸筋3例、DP2例であった。広範支持装置の有無、食事形態などを検討し代表的な手術症例を供覧し報告する。