第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

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3.悪性腫瘍・補助療法

[P03-19] 口腔扁平上皮癌におけるエピガロカテキン‑3‑ガレート(EGCG)による細胞増殖抑制およびアポトーシス誘導についての検討

〇吉村 仁志1、吉田 寿人1、松田 慎平1、山本 哲嗣1、領家 崇1 (1.福井大学学術研究院 医学系部門医学領域 感覚運動医学講座 歯科口腔外科学分野)


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【目的】疫学研究において,緑茶は癌に対する予防効果を有することが明らかにされている.緑茶の生物活性はそのポリフェノール成分にあり,エピガロカテキン-3-ガレート(EGCG)が最も有効な成分とされる.本研究では,口腔扁平上皮癌(OSCC)におけるEGCGの有用性について検討を行った.【材料・方法】OSCC細胞株HSC-3を用い,in vitroでは,生存率をMTSアッセイと,細胞周期をフローサイトメーターにて検討した.アポトーシスを,アネキシンVおよびヨウ化プロピジウム染色,カスパーゼ-3および-7活性,TUNEL染色によって評価した.in vivoではヌードマウスへの移植片実験を行い,細胞増殖およびアポトーシスをKi-67染色およびTUNEL染色によって分析した.【結果】in vitroでは,EGCGは時間および濃度依存的に細胞増殖を抑制し,細胞周期分析では腫瘍細胞のG1期停止を誘導した.EGCGはカスパーゼ‑3と-7を活性化し,アポトーシスを生じる細胞の割合を有意に増加させた.in vivoの移植片実験では,EGCGの腹腔内投与により腫瘍体積は45.2%に減少し,Ki‑67発現とアポトーシスの有意な増加を認めた.【考察・結論】EGCGは,細胞周期の進行とアポトーシスに影響を与え,OSCC細胞の増殖を有意に抑制した.この結果は,EGCGが口腔癌に対する有効な成分となる可能性を示唆した.