The 39th Annual Meeting of Japanese Society of Oral Oncology

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一般演題(eポスター)

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3.悪性腫瘍・補助療法

[P03-18] A case of superior mesenteric artery thrombosis during chemotherapy for advanced mandibular gingival carcinoma

〇Yoshiaki Kishikawa1 (1.Graduate School of Medical Sciences Kanazawa University , Department of surgery , Oral and Maxillofacial Surgery)


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[緒言] 抗腫瘍薬は投与にあたって様々な有害事象が発生する. 重篤な副作用の一つに血栓症があり, シスプラチンにも静脈血栓塞栓症の記載がある. われわれは、進行性下顎歯肉癌に対する抗腫瘍薬投与中に上腸間膜動脈血栓症をきたした1例を経験したので報告する. [症例] 65歳男性で, 右側下顎歯肉の疼痛を主訴に近在歯科を受診, 智歯部の洗浄および抗菌薬内服にて消炎を図るも改善せず, 右側顎下部のリンパ節に腫脹を認めたため, 精査加療目的に当科紹介受診となった. 高脂血症と十二指腸潰瘍, 大腸癌術後, 左中大脳動脈領域のアテローム性脳梗塞の既往があり, アトルバスタチンとシロスタゾールを内服していた. 生検および造影CT, PET-CT検査を行い, 右側下顎歯肉低分化扁平上皮癌および右側頚部リンパ節転移(cT2N2bM0)と診断した. シスプラチンによる放射線併用化学療法(total 70Gy)を開始した. 大きな有害事象なく経過していたが, Day14に胃痛を認め, 夜間に増悪と頻回の下痢が生じた. 整胃剤と止痢剤の内服では改善せず, 消化器内科にコンサルトを行ったところ, 上部内視鏡検査とdynamic CT検査で上腸間膜動脈血栓症と診断した. 胃腸外科にコンサルトとなり, 緊急手術で小腸腸管切除と人工肛門増設を行った. 当科で行っていた放射線併用化学療法は一旦中止したが, 術後20日後より放射線療法単独で再開となった. [結語] 抗腫瘍薬投与中の消化器症状においては, 本症例のように上腸間膜血栓症に注意する必要がある.