第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

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3.悪性腫瘍・補助療法

[P03-34] 根治不能口腔扁平上皮癌患者に対する緩和的寡分割放射線治療(QUAD shot)の有効性

〇坂田 凜太郎1、松岡 祐一郎1、川原 健太1、永田 将士1、廣末 晃之1、福間 大喜1、吉田 遼司1、中山 秀樹1 (1.熊本大学大学院 生命科学研究部 歯科口腔外科学講座)


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【緒言】口腔扁平上皮癌(以下、OSCC)患者は、病期、併存疾患、年齢、社会的背景などから根治的治療の対象とならないことがしばしばある。近年、こうした根治不能がん患者に対する緩和的寡分割放射線治療(QUAD shot)の有効性を示す報告が散見される。今回われわれは、当科おける根治不能OSCC患者に施行したQUAD shotの有効性を検討することを目的として臨床的解析を行った。【対象】2018年1月から2020年8月までに根治不能と判断した口腔癌患者30例のうち、組織学的に扁平上皮癌である27例を対象とした。【結果】性別は、男性7例(25.9%)、女性20例(74.1%)。年齢は、54-91歳(平均81.8歳)。原発部位は、舌7例(25.9%)、上顎歯肉14例(51.9%)、下顎歯肉5例(18.5%)、口底1例(3.7%)。遂行サイクル数は、1サイクル2例、2サイクル4例、3サイクル20例、4サイクル1例であった。照射前に症状があった22例のうち、18例で症状緩和を認めた。腫瘍縮小反応を27例のうち22例(81.5%)で認めた。また、グレード2の毒性は4例(14.7%)で、グレード3以上の毒性や後期毒性は認めなかった。【結論】根治不能OSCC患者に対するQUAD shotは毒性が少なく、一定の治療効果が期待できると思われた。また、腫瘍関連症状を緩和し、QOL維持への寄与が示唆された。