第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

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9.悪性腫瘍・ゲノム

[P09-08] 新規融合遺伝子の同定を含めた腺様嚢胞癌の遺伝子検索

〇柴田 恵里1、森田 圭一1、栢森 高2、原園 陽介1、道 泰之3、原田 浩之3 (1.東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 顎顔面外科学分野、2.東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 口腔病理学分野、3.東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 顎口腔外科学分野)


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【緒言】腺様嚢胞癌(AdCC)は頭頸部領域に発生する悪性腫瘍の1%程度を占め、MYB-NFIBMYBL1-NFIBの融合遺伝子が報告され、その検出頻度は60%程度と報告されている。本研究は、上記以外の新規融合遺伝子も含めて網羅的に検索し、AdCCの病因を明らかにすることを目的とした。
【対象・方法】AdCCと診断された23例を対象とした。ホルマリン固定パラフィン包埋組織よりRNAを抽出し、TruSight RNA Fusion Panel (Illumina, Inc.)及びMiSeqまたはNextSeq(Illumina)を用いて融合遺伝子を検出した。さらに、MYBMYBL1NFIBの発現量をRealtime PCRにて解析した。
【結果】MYB-NFIBは9例(39%)、MYBL1-NFIBは3例(13%)で検出され、さらに、5例(22%)から新規融合配列が得られた。また、MYBMYBL1は、相互排他的に高発現していた。MYB融合遺伝子と発現量に相関はなかったが、MYBL1融合遺伝子と発現量には強い相関が認められた。
【考察】今回検出されたMYB-NFIBMYBL1-NFIB以外の新規融合遺伝子がすべて病原性変異体とは限らないが、MYB融合遺伝子と発現量の相関が弱いことなどからも、MYBおよびMYBL1融合遺伝子以外が発がんに関与している可能性が考えられた。