第52回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

一般口演(多領域専門職部門)

一般口演(多領域専門職部門)06(II-TOR06)

2016年7月7日(木) 16:30 〜 17:10 第F会場 (シンシア サウス)

座長:
長谷川 弘子(大阪大学医学部附属病院看護部)

II-TOR06-01~II-TOR06-04

16:30 〜 17:10

[II-TOR06-03] 小児専門病院循環器病棟における服薬指導のとりくみと実態

島田 奈央美1, 配野 留実2, 小野 晋3, 高見 暁代1, 橋本 直樹1, 古屋 明仁1, 熊坂 治1, 高沢 萌2, 柳 貞光3, 萩原 綾子2 (1.神奈川県立こども医療センター 薬剤科, 2.神奈川県立こども医療センター 看護局ハイケア救急病棟2看護科, 3.神奈川県立こども医療センター 循環器科)

キーワード:内服指導、多職種連携、病棟業務

【背景】
当病棟は循環器疾患で高度医療が必要な患者を対象とし、乳幼児が8割を超える。内服薬による治療は患者の病状に合わせて適切に行う必要があり、医師、看護師のみならず薬剤師を含めた多職種協働チームとして関わる必要がある。また、2014年の改正薬剤師法に伴い薬剤師による服薬指導を行うことが義務化され、診療報酬算定上のハイリスク薬で380点の算定が可能となった。昨年度から薬剤師によるカンファレンスへの参加、定時薬の確認・配薬、内服指導などの病棟業務を開始した。今回、特に服薬指導の実態について評価し報告する。
【目的】
小児専門病院循環器病棟における服薬指導の実態を明らかにする。
【方法】
医師、看護師と協力し、病棟内において服薬指導が必要な患者を抽出し(初回退院、ハイリスク薬服用、長期入院で退院間近等)、家族との日程調節を行った。その結果実施した2015年4月~15年12月(9ヶ月間)までの服薬指導内容について集計し、分析した。
【結果】
循環器科内服指導件数は53件、患者の平均年齢は2歳4か月(最大35歳最小0ヶ月)、10歳以上5名を除くとほとんどが1歳未満の乳児であった。病棟業務開始前の服薬指導はハイリスク薬のみであったが、開始後は循環器系薬全般が対象となった。平均内服数は5.5剤、最大20剤であった。利尿薬を服用する患者は84.9%と一番多く、抗凝固薬50.9%、肺高血圧薬37.7%と続いた。家族からは薬の飲ませ方、作用・副作用、嘔吐時や飲み忘れ・服用間隔に関する質問が多く、それぞれ2~3割の家族から聞かれた。
【考察】
心疾患があり、内服治療を必要とする患者は年齢が小さく内服数も多いため、与薬する家族の不安も大きいと考えられる。そのため、服薬指導はハイリスク薬のみに限らず、さらに小児特有の拒薬・嘔吐時の対応に関する介入も必要だと考えられる。
【結論】
薬剤師と他職種が連携し病棟業務に係わることで、患者のニーズに合わせた服薬指導が可能となった。