18:00 〜 19:00
[P19-05] NBCAを用いた短絡血管に対する塞栓術
キーワード:NBCA、短絡血管、塞栓術
【背景】静脈-静脈短絡(VVS)、動脈瘻に対するコイル塞栓術は確立された手技であるが、コイル塞栓が困難な血管に対してN-butyl-2-cyanoacrylate(NBCA)を使用すれば塞栓術が比較的短時間且つ安価に行える可能性がある。【症例1】診断:DORV,MS with parachute MV,multiple VSD。生後1ヶ月でPAB,ASD creation。10ヶ月時にBDG施行。2歳5ヶ月TCPC術前カテーテル検査を施行。右内胸動脈(RITA)から肺動脈への短絡血管を多数確認し塞栓術施行。RITA末梢側にTarget Coilを留置した後に3倍希釈NBCAにて塞栓術を施行した。塞栓術後の造影では短絡血管は描出されなかった。【症例2】診断:polysplenia, DORV,multiple VSD,PS,IVC defect,hemiazygos connection,bilateral SVC。1歳2ヶ月にTCPS,TAPを施行。2歳1ヶ月時TCPC術前カテーテル検査を行ったところ無名静脈から起始するVVSを確認。Target Coil 12個を留置した後に2倍希釈のNBCAを使用し注入し塞栓術を行った。TCPC施行後の3歳時にPLEを発症し心臓カテーテルを施行。RITAからのAP-Shuntを3本認めたため長区間の塞栓には3倍希釈、短区間の塞栓に2倍希釈NBCAをバルーン閉塞下で注入し閉塞を確認。【症例3】17歳男性、冠動脈瘻。心臓CT検査で右冠動脈起始部、左冠動脈主幹部から肺動脈への異常血管を確認。冠動脈造影でもCTと同様の所見が確認された。左冠動脈からの異常血管に対してコイル塞栓を、右冠動脈からの異常血管は蛇行が強くコイル塞栓困難であり3倍希釈NBCAを使用し塞栓を行った。2年後再度左冠動脈から蛇行の強い異常血管を認め1.7倍希釈NBCAで塞栓を施行した。【考察】我々はコイル塞栓が困難な高度に蛇行する長区間の異常血管に対してNBCAを用いて塞栓術を行い短時間で終了できた。また標的血管以外の塞栓が懸念される症例にはアンカーやバルーンを用い、1.5倍から3倍の高濃度で使用することで心血管系の短絡血管にもNBCAは安全に使用することが出来る。