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[P22-02] 突然の心室細動で発症し、薬剤抵抗性に心室頻拍を繰り返す、Short-coupled variant of Torsade de Pointesが疑われる2歳女児例
キーワード:不整脈、心室細動、Tosade de Pointes
【背景】Short-coupled variant of Torsade de Pointes (scTdP)は、基礎心疾患のない健常者で、非常に短い連結期 (245±28msec)の心室性期外収縮を契機とした多形性心室頻拍・心室細動を突然発症する予後不良な不整脈で、診断・管理には苦慮することが多い。【症例】2歳女児。既往歴や家族歴に特記事項なし。昼寝から起床直後に突如意識消失、救急隊接触時VF。前医へ搬送され、DCでstorm。アミオダロン静注+DCで発症1時間後に心拍再開した。脳低温療法等の入院加療をしていたが、再度、短連結性 (240msec)のPVCからTdP、VFを来たし、アミオダロン+DCで蘇生された。原因として心筋炎、心筋症、電解質異常等は否定的であった。12誘導心電図ではQT延長/短縮やBrugada様変化は認められなかったが、前医と当科で相談し、何らかの遺伝性不整脈を疑い、プロプラノロール、フレカイニド、カルベジロールなどを順番に投与した。フレカイニドやカルベジロールはVTの頻度を増加させ、最終的にプロプラノロール5mg/kgで持続性VTは消失した。ADL全介助となってしまっており、心臓移植は適応外、家族と相談しICDやアブレーションは保留することとした。治療と並行し、遺伝子検査を提出し、現在結果待ちである。前医退院後、当科外来管理。一時期、VT消失しPVCも減少していたが、前医退院後4か月時のHolter心電図で入眠中に388連発のVT (自然停止)を認めた。その際も連結期260msecのPVCを契機としたTdPであり、scTdPを疑い、ベラパミル内服を追加した。ベラパミル・プロプラノロールの併用で徐々にVTの頻度、連発数は低下した。【まとめ】若年発症の致死的不整脈で、診断・治療に苦慮している。本児の経過を供覧し診断・治療を考察する。