第52回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

電気生理学・不整脈1

ポスターセッション(P22)
電気生理学・不整脈1

2016年7月6日(水) 18:00 〜 19:00 ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
芳本 潤(静岡県立こども病院 循環器センター循環器科)

P22-01~P22-06

18:00 〜 19:00

[P22-04] 基礎疾患のない2連発心室性期外収縮(PVC)は単発性に比べて交感神経の影響が強い

高橋 努, 小山 裕太郎 (済生会宇都宮病院 小児科)

キーワード:心拍変動解析、心室性期外収縮、交感神経

【背景】心拍変動の周波数領域解析で、高周波数(HF)成分は副交感神経活動、低周波数(LF)成分は主として交感神経活動、一部副交感神経活動により影響を受ける。LF/HFは交感神経機能の指標とされている。器質的疾患のある連発のPVCや心室頻拍の発症直前には交感神経活動が亢進していると報告されている。前回の当学会で我々は、基礎疾患のない左室起源のPVCでは、交感神経の影響が強いことを発表した。【目的】PVC2連発は単発性に比較して交感神経の影響が強いかを確認する。【対象】心エコーで基礎疾患を否定した、7歳~22歳の2連発を含む単源性PVC10名、のべ29か所を解析。【方法】ホルター心電図で2連発と単発PVC発生直前の20分間をそれぞれ5分毎に分け、発生直前からT1、T2、T3、T4とし、それぞれの心拍変動解析(HF、LF、LF/HF)を行い比較検討した。また、Lorenz-Plot法によりDependent type、Mixed typeを示すものを増加型、Fixed type、Scattered typeを示すものを非増加型と分類した。【結果】PVC発生の直前であるT1(PVC発生直前の5分間)の LF成分がT2に比し高値である症例が2連発の方が単発性に比較して有意に多く(92.3% vs 56.3%、p=0.03)、LF/HFも同様の傾向があった(69.2% vs 50.0%、p=0.3)が、HF成分は一定の傾向を認めなかった。Dependent type1例、Mixed type7例、Scattered type2例で8例(80%)が増加型だった。【考察】2連発のPVCの発生には、単発性の発生に比較し、より交感神経の影響が強いことが示唆される。連発を認めるPVCにおいては運動負荷心電図とホルター心電図による心拍変動解析の組み合わせが、きめ細かい学校生活管理指導に有用である可能性がある。