18:00 〜 19:00
[P45-03] Norwood手術における右室肺動脈血流再建術式の検討
キーワード:左心低形成症候群、Norwood手術、肺動脈狭窄症
【目的】当院では右室肺動脈導管(RV-PA conduit)を用いたprimary Norwoodを基本手技としているが、RV-PA conduitを再建大動脈の右側においた症例やLecompte法による肺動脈前方転位を導入した症例がある。当院における肺動脈再建様式別の治療成績を検討した。【方法】2003年以降RV-PA conduitによるprimary Norwood手術連続26症例のうち両方向性Glenn手術(BDG)に到達した19例中、Noonan症候群1例を除いた18例を対象とした。RV-PA conduitが再建大動脈の左側4例(L群)、右側9例(R群)、肺動脈を前方転位し再建大動脈の前方で吻合5例(A群)の3群で、肺動脈形態、心機能、Fontan到達率を後方視的に検討した。大動脈再建は全例直接吻合で行った。【結果】L群では肺動脈狭窄部が主にconduitの右側にあり、BDG到達前に3例で経皮的バルーン拡張(BAP)が施行され、BDG時に1例で肺動脈パッチ拡大を行った。R群では狭窄部が主にconduitの左側にあり、BDG前に左肺動脈に5例、右肺動脈に1例BAPが施行され、BDG時に6例で肺動脈パッチ拡大を行った。A群では2例で両側肺動脈にBAPが行われ、BDG時に無名静脈と前方転位された肺動脈を広く側々吻合することで狭窄解除したが、1例でパッチ補填を追加した。ステント留置症例はなかった。BDG前カテーテル検査ではL群:R群:A群の心室容積(%N)は205:160:247、駆出率(%)は61:50:47、PA indexは117:111:91、BNP(pg/mL)は175:145:458、BDG後のSVC圧は14:11:11、BNPは98:92:382であった。待機症例を除いたFontan到達率(%)はL群:R群:A群で67:86:40であった。【結論】Conduit再建法による心機能、PA indexの有意差はなかったが、A群で低心機能症例が多く、R群でFontan到達率が高い傾向があった。Conduit再建法によって肺動脈狭窄発生部位には差があり再建大動脈による圧迫の関与が考えられた。狭窄回避には大動脈再建法の工夫が必要であるが、外科的狭窄解除には到達し易さの点で前方転位が有利と思われた。