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[P46-04] 心内修復術前に壊死性腸炎を起こした2症例
キーワード:壊死性腸炎、N2、ノロウィルス
【背景・目的】新生児の壊死性腸炎(necrotizing enterocolitis以下NEC)の90%は早産児で発症しているが、正規産児での発症において25%程度は心疾患をベースに認めると報告されている。当院で低酸素ガス吸入療法(以下N2療法)中にNECを来した2症例を経験したので報告する。【症例1】在胎39週、出生体重3166gにて出生。総動脈幹症、大動脈離断症と診断。日齢1よりLipoPGE1投与開始、同日高肺血流のためN2療法を開始、日齢6に両側肺動脈絞扼術を施行。術後もN2療法を継続しながら管理した。日齢8朝より粘血便、腹部膨満を認め腹部X線検査にてfree airを認めた。NECによる腸管穿孔と考え、緊急開腹手術を施行。結腸肝彎曲部、結腸脾彎曲部の2箇所に穿孔を認め、結腸離断、人工肛門造設術を施行した。【症例2】在胎38週、出生体重3362gにて出生。完全大血管転位症と診断し、日齢0よりLipoPGE1投与開始、日齢1よりN2療法、経腸栄養を開始した。日齢13より発熱、胃内残乳を認め、日齢14には血便を認め、便検査にてノロウィルス抗原が陽性となった。腹部X線検査にてfree airは認めなかったが、日齢16にはCRP 28mg/dlと炎症反応が上昇し、腹部造影CTを施行。free airが認められ、緊急開腹手術を施行。回腸末端に2箇所穿孔を認め、 人工肛門造成術を施行した。【考察・結論】今回経験した2症例はいずれも心内修復術前であり、どちらもN2療法を施行していた。低酸素療法中はNEC等の合併症に注意を払う必要がある。また症例2では嘔吐や下痢といった典型的な症状はなかったもののノロウィルスが検出された。胃腸炎を起こすウィルス感染とNECの関連性は報告があり、NICUでのアウトブレイクも問題となっている。NECを起こした場合に留意する必要がある。