第53回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

一般口演

外科治療

一般口演 16 (I-OR16)
外科治療 3

2017年7月7日(金) 13:05 〜 13:55 第6会場 (1F 展示イベントホール Room 6)

座長:猪飼 秋夫(静岡県立こども病院 循環器センター)

13:05 〜 13:55

[I-OR16-01] ファロー四徴症心内修復術におけるSkeletonization法を用いた肺動脈弁輪温存術式の術後成績

佐々木 大輔1, 阿部 二郎1, 佐々木 理1, 泉 岳1, 山澤 弘州1, 武田 充人1, 加藤 伸康2, 橘 剛2 (1.北海道大学 医学部 小児科, 2.北海道大学 医学部 循環器外科)

キーワード:Skeletonization, ファロー四徴症, 肺動脈弁輪温存

【背景】ファロー四徴症の心内修復術にあたって弁輪温存の可否は重要である。我々は2013年からSkeletonization法(以下S法)による弁輪温存症例の拡大を図ってきたので効果について検討した。【方法】 2013年以降にS法を施行したTOF,またはTOF type DORVの24例(S群)と2009年から2013年までに通常の弁輪温存術式で右室流出路再建を施行したTOF 8例(N群)を比較検討した。検討項目は、術前後の肺動脈弁輪径(pre PV, post PV)(Z-value)、術後肺動脈流速(post PS vel)、術後推定右室圧(post RVp)および肺動脈弁逆流の程度(PR post: none=0, trivial=1, mild=2, moderate=3, severe=4)を検討した。(対応のあるt検定、および対応のないt検定)。【結論】両群間において、手術時年齢、体重、術前肺動脈弁輪径に有意差は認められなかった。pre PVでZ-1.5以下の症例はS群で8/24例(33%)、N群で0/8例(0%)であった。pre PVとpost PVの比較では S群(pre PV -0.91 vs. post PV -0.63 ;p=0.012)、N群(pre PV -0.64 vs. post PV -0.44 ;N.S.)とS群において有意差を認めた。post PS(S群 2.9m/s vs. N群 3.1m/s ;P=0.16)、post RVp(S群 46mmHg vs. N群 56mmHg ;P=0.17)、PR post(S群 1.8 vs. N群 1.4 ;P=0.07)であった。S群でpre PV Z -1.5以下の8例(z=-1.8)は、post PV Z= -1.3, post PS 2.6m/sであった。術後半年以降に評価しえた両群間(S群 8例 、N群 8例)比較では、post PS(S群 2.1m/s vs. N群 3.4m/s ;P<0.05)、post RVp(S群34mmHg vs. N群59mmHg ;P<0.05)、PR post(S群 2.2 vs. N群2.2 ;P=1.0)であった。S群で再介入が必要となったのは3例(手術2例、PTA1例)、N群で2例(手術1例、PTA1例)であった。【考察】S法による弁輪温存術式により有効に狭窄解除が可能であり、Z-1.5以下の症例において狭窄解除は可能であった。【結語】prePVがz-1.5以下の症例においてもS法による弁輪温存手術が有効であった。