第53回日本小児循環器学会総会・学術集会

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ポスター (III-P31)
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2017年7月9日(日) 13:00 〜 14:00 ポスターエリア (1F 展示イベントホール)

座長:豊野 学朋(秋田大学大学院医学系研究科 医学専攻機能展開医学系小児科学)

13:00 〜 14:00

[III-P31-01] 先天性心疾患における3Dエコーを用いた右室心尖-三尖弁・右室心尖-肺動脈弁間距離による右室機能評価の検討

武井 黄太1, 安河内 聰1,3, 瀧聞 浄宏1, 田澤 星一1, 内海 雅史1, 中村 太地1, 川村 順平1, 浮網 聖実1, 齊川 祐子3, 蝦名 冴3, 岡村 達2 (1.長野県立こども病院 循環器小児科, 2.長野県立こども病院 心臓血管外科, 3.長野県立こども病院 エコーセンター)

キーワード:3Dエコー, 右室機能, 先天性心疾患

【目的】右室は長軸方向の収縮が主体とされているが、一方で体心室右室では円周方向の収縮が主体になるという報告もなされている。本研究の目的は体心室右室となる左心低形成症候群(HLHS)および右室容量負荷をきたす治療前の心房中隔欠損(ASD)において3Dエコーを用いて計測した右室心尖-三尖弁・右室心尖-肺動脈弁間距離による右室機能評価の有用性について検討することである。【方法】HLHS 13例(9.3±3.9歳、男性7例)(H群) 、肺高血圧を合併しないASD 14例(17.4±18.2歳、男性3例)(A群)、正常コントロール18 例(11.5±12.5歳、男性12例)(C群)において心エコー検査の際に3Dボリュームデータを取得し、解析ソフトウェアImage-Arena Ver. 4.6(TomTec Imaging System社製)を用いて右室機能解析を行ってRVEFを算出するとともに、3D座標データから右室心尖-三尖弁(AT)・右室心尖-肺動脈弁(AP)間距離を測定し、最小値と最大値の差D(身長で補正)と短縮率FSについてRVEFとの相関を検討した。【成績】H群、A群、C群のRVEFはそれぞれ41.0±7.5、53.9±5.7、56.7±6.6%で、右室拡張末期容積係数はそれぞれ72.2±24.3、108.2±24.9、65.6±19.6ml/m2であった。H群ではFS-AT(R=0.60, p=0.03), FS-AP(R=0.68, p=0.01)が、A群ではD-AT(R=0.55, p=0.04)が、C群ではD-AT(R=0.54, p=0.02), FS-AT(R=0.68, p=0.002), D-AP(R=0.48, p=0.04)がいずれも中等度の相関を示した。【結論】H群、A群いずれにおいても本法における右室機能評価はRVEFと有意な相関を示し有用と考えられた。体心室右室や容量負荷をきたす場合でも右室においては長軸方向の収縮は重要であると考えられたが、流入路方向だけではなく流出路方向も検討する必要がある。