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[III-P35-03] 出生時よりPVOを有するsimple TAPVCへのprimary sutureless repairの適応
キーワード:primary sutureless repir, TAPVC, PVO
【緒言】出生時よりPVOを有するsimple TAPVCは生後早期に手術介入を余儀なくされることが多く、死亡例・術後再手術を要する例をしばしば経験する。近年、術後PVOに対するsutureless repairの良好な成績が報告されているが、primary sutureless repairの適応についてはいまだcontrovertialである。【目的】当院における出生時PVO合併例の手術成績を検討し、primary sutureless repairの適応を考察する。【方法】2006年~2016年の10年間、当院において生後48時間以内にTAPVCrepairを施行した新生児13例を対象とし後方視的に検討した。なお単心室循環等他の心疾患合併例は除外した。【結果】手術時体重は2.0~3.7kg(mean:3.0kg)。Darling分類は1a:6例、1b:1例、3:4例、4:2例(1a+1b:1例、1b+3:1例)。全症例で術前よりPVO所見を認めた。13例中2例(1a,4)が初回手術後PVOにより死亡した。4例がPVO進行による再手術を要した。そのうち2例(1a,3)でsutureless法が施行され、1例(3)が死亡した。また1aの1例でprimary sutureless repairが施行され、再手術を要さなかった。【考察】生後48時間以内に手術を余儀なくされる症例は死亡率23%、再手術率30%と高かった。出生時よりPVOを有する例の中には共通肺静脈腔が小さく肺静脈が低形成である症例が存在し、特に死亡や再手術のリスクが高いとされる。当院では今後このような高リスク症例においてprimary suturless repairを積極的に行う方針を検討中である。