The 54th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ミニシンポジウム(多領域専門職部門)

ミニシンポジウム(多領域専門職部門)(II-MIS01)
先天性心疾患における機械的循環(呼吸)補助の適応と実際

Fri. Jul 6, 2018 4:40 PM - 5:40 PM 第6会場 (411+412)

座長:長嶋 光樹(東京女子医科大学 心臓血管外科)
座長:南 茂(大阪大学医学部附属病院 医療技術部臨床工学部門)

[II-MIS01-02] 「ECMO:患者看護のポイントと実際」について特殊環境下での患者管理のプロトコルや注意点、その実際について。

櫻井 善光 (東京大学医学部附属病院 PICU)

Keywords:急変時対応, 環境調整, 褥瘡予防

ECMO患児看護において重要と思われるポイントは主に3つあり、当院PICUの取り組みを説明する。 1つ目は急変時対応。看護師は緊急装着時等において速やかに処置・治療が行えるように環境調整役割を担う。環境調整とは「必要物品・薬剤の準備」・「人材確保を含めた連絡役割」であり、この調整により治療がスムーズに展開する。毎年、医師・MEらの勉強会にてECMO管理への理解を深めている。加えて緊急時のシナリオを作成し医師とシミュレーションを行い対応の質向上に努めている。また、緊急時必要物品カートの設置・患児ごとの薬剤組成表の設置により急変時準備の効率化を図っている。また、実際の症例ごとに医師到着までの看護師対応について、事前に医師と症例検討を行い具体的な対応を準備している。 2つ目は外的環境の調整。ECMO患児は深い鎮静下におかれる事が多く外的環境から影響を受けやすい。外的環境による影響は治療効果を判断する際に邪魔となる可能性がある。例えば体温管理では、外的環境により体温が変動する事がある。それにより循環動態の変動に繋がる可能性がある。よって、外的環境を調整し一定に保つことで全身状態への影響が僅かであるよう努めている。 3つ目は褥瘡予防・安全管理。ECMO装着中は褥瘡発生リスクが複数存在する。全例で体圧測定・徐圧マットの挿入・手鏡使用での皮膚確認・体の下に手を入れる除圧等の最小限の方法で効果的な除圧・皮膚観察を行っている。さらに緊急時に備え体を動かすケアは医師見守り下で実施している。安全面としては事故抜去予防が必要であり、固定はチューブが引っ張られても、直接刺入部に圧がかからないような工夫をしている。 当院PICUにはECMO患児看護のマニュアルはなく、統一した介入が出来るようマニュアル作成は必要な課題である。また、現行の安全管理方法において最善策とは考えておらず検討する必要があると考える。