第54回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

心血管発生・基礎研究

ポスターセッション13(P13)
心血管発生・基礎研究 1

2018年7月5日(木) 18:00 〜 19:00 ポスター会場 (311+312+313+315)

座長:武田 充人(北海道大学病院 小児科)

[P13-03] 右室圧負荷ラットモデルでの2D-Speckle Tracking(2DSTE)とDiffusion Tensor Imaging(DTI)の右室心筋線維化評価

河内 文江1,2, 浦島 崇2,3, 藤本 義隆1,2, 河内 貞貴2,4, 南沢 享1 (1.東京慈恵会医科大学 細胞生理学講座, 2.東京慈恵会医科大学附属病院 小児科, 3.愛育病院, 4.埼玉県立小児医療センター 循環器科)

キーワード:右室線維化, 2DSTE, DTI

【背景】 右室圧負荷は心筋肥大を経て、非代償期に心筋線維化へと進行する。線維化の進行前に圧負荷解除を行う必要があるが、右室心筋線維化を早期診断する非侵襲的方法はない。 【目的】右室心筋線維化を来しやすい部位を特定する。更に、右室心筋線維化を早期に診断し得る方法、指標を検索する。【方法】SDラットを肺動脈絞扼術を施行したPAB群(n=10)とSham群(n=10)に分け、1週毎に右室のstrain値を測定した。更に、術後4週の摘出心のうち、7例(PAB群 n=4, Sham群 n=3)はDTI撮像を行った。Masson’s trichrome染色を用い、摘出心の線維化率を測定した。【結果】病理画像により、右室線維化は心尖部側よりも心基部側に強く出現した。エコーでは、PAB群でFree-wall RV Longitudinal strainの低下(-13.0±3.7 vs. -21.4±2.2, respectively, P <.01)を認めた。DTIでは、右室線維化率の上昇に伴い拡散異方性の強さと方向を表すλ1, λ2, λ3, Fractional anisotrophy(FA)値はいずれも低下した(R=-0.69, R=-0.52, R=-0.50, R=-0.45)。また、線維化の進行により心筋配列の連続性は絶たれ、線維長が短縮する画像がFiber tractographyで構築できた。【考察】 PAB群の収縮能は維持されていたがLongitudinal strain値が低下していたことは、右室線維化の進行を反映し、さらに圧負荷による右室の機能障害が、深層筋により強く出現することが示唆された。DTIでの異方性低下とλ値低下は、線維化による心筋配列の乱れ、間質線維化による水分子拡散運動の低下を反映していると考えられた。【結論】2DSTE、DTIは右室心筋線維化診断の手法となり得る可能性がある。【結論】2DSTE、DTIは右室心筋線維化診断の手法となり得る可能性がある。