[I-P02-05] ファロー四徴症(TOF)根治術後に重篤なリンパ球減少をきたす因子の検討
キーワード:リンパ球, ファロー四徴症, 周術期
【背景】手術侵襲に伴い免疫機能が抑制されリンパ球が減少する。術前、術後のリンパ球減少が予後不良の危険因子との報告もあり、侵襲の少ない周術期管理が重要である。われわれは心室中隔欠損閉鎖術後のリンパ球減少に、症候群の合併、術前の肺高血圧、術前のリンパ球減少が関与していることを報告してきた。
【目的】ファロー四徴症(TOF)根治術後1日目にリンパ球減少をきたす因子について検討する。
【方法】当施設でTOF根治術を行った2歳未満の症例を対象とした。TOF根治術以外の手術を同時に行った症例、術前から感染症や血液疾患を有する患児は除外した。術後1日目のリンパ球が1500 /μL未満をリンパ球減少と定義し、1500 /μL未満のリンパ球減少群(L群)と1500 /μL以上の対照群(C群)の2群に分け、年齢、体重、在胎日数、出生児体重、ASA-PS、術前の赤血球数、赤血球容積粒度分布幅、白血球数、リンパ球数、肺動脈圧、肺血管抵抗、肺体血流比、CRP、BNP、症候群合併の有無、Blalock-Taussig短絡術(BTS)の既往、麻酔方法、手術時間、人工心肺時間、輸血量、手術終了時および術後1日目のカテコラミン使用量、術後人工呼吸期間、ICU滞在日数、術後感染症の有無について後方視的に検討を行った。2群間の比較にはMann-Whitney testまたはChi-square testを用いた。
【結果】TOF根治術を行った60例のうち、43例(L群22例、C群21例)を対象とした。L群はC群に比較してBTSの既往が多く(L群13名、C群5名)、フェンタニル投与量が多かった(L群46.9 μg/kg [40.2, 59.0]、C群63.3μg/kg [40.2, 59.0])。また、入院期間が長かった(L群16日、C群12日)。数値は中央値 [四分位範囲]で表示し、P<0.05を有意差とした。
【考察と結論】TOF根治術後のリンパ球減少にBTSの既往と、フェンタニル投与量が関与した。侵襲を少なくする麻酔管理を行うことでTOF術後免疫機能低下を低減できる可能性がある。
【目的】ファロー四徴症(TOF)根治術後1日目にリンパ球減少をきたす因子について検討する。
【方法】当施設でTOF根治術を行った2歳未満の症例を対象とした。TOF根治術以外の手術を同時に行った症例、術前から感染症や血液疾患を有する患児は除外した。術後1日目のリンパ球が1500 /μL未満をリンパ球減少と定義し、1500 /μL未満のリンパ球減少群(L群)と1500 /μL以上の対照群(C群)の2群に分け、年齢、体重、在胎日数、出生児体重、ASA-PS、術前の赤血球数、赤血球容積粒度分布幅、白血球数、リンパ球数、肺動脈圧、肺血管抵抗、肺体血流比、CRP、BNP、症候群合併の有無、Blalock-Taussig短絡術(BTS)の既往、麻酔方法、手術時間、人工心肺時間、輸血量、手術終了時および術後1日目のカテコラミン使用量、術後人工呼吸期間、ICU滞在日数、術後感染症の有無について後方視的に検討を行った。2群間の比較にはMann-Whitney testまたはChi-square testを用いた。
【結果】TOF根治術を行った60例のうち、43例(L群22例、C群21例)を対象とした。L群はC群に比較してBTSの既往が多く(L群13名、C群5名)、フェンタニル投与量が多かった(L群46.9 μg/kg [40.2, 59.0]、C群63.3μg/kg [40.2, 59.0])。また、入院期間が長かった(L群16日、C群12日)。数値は中央値 [四分位範囲]で表示し、P<0.05を有意差とした。
【考察と結論】TOF根治術後のリンパ球減少にBTSの既往と、フェンタニル投与量が関与した。侵襲を少なくする麻酔管理を行うことでTOF術後免疫機能低下を低減できる可能性がある。