第55回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

会長要望演題

会長要望演題4(III-YB04)
小児不整脈植え込み型デバイスの今後

2019年6月29日(土) 14:10 〜 15:00 第2会場 (大ホールA)

座長:芳本 潤(静岡県立こども病院 循環器科)
座長:鈴木 嗣敏(大阪市立総合医療センター 小児不整脈科)

[III-YB04-05] ATアブレーション後ATP機能付きdevice治療植え込みを行った複雑先天性心疾患症例の検討

豊原 啓子1, 工藤 恵道1, 竹内 大二1, 庄田 守男2 (1.東京女子医科大学 循環器小児科, 2.東京女子医科大学 循環器内科)

キーワード:先天性心疾患, デバイス, 抗頻拍ペーシング

背景: 先天性心疾患(CHD)術後の徐脈に対してdevice植え込みが必要な場合がある。さらに心房頻拍(AT)を合併する際はカテーテルアブレーション(CA)抵抗性のことが多い。方法:CHD術後にATに対してCAを行い、その後ATに対するanti-tachycardia pacing(ATP)機能付きdevice植え込みを行った24例を後方視的に検討した。年齢は5~59歳、二心室修復 6例、Fontan手術 12例、心房スイッチ 4例、姑息術 2例であった。洞不全 18例と房室ブロック 5例にDDD ペースメーカー、VT 1例にICD植え込みを行った。結果:Device植え込み前のCA成功率は67%(16/24)であった。Device後の平均follow-up期間は4年で、ATに対するATPの適切作動率は38%(9/24)であった。しかし25%(6/24)においてATPはATに対して作動しなかった。6例中4例が設定よりも長いcycle lengthのATであり、2例は1:1の房室伝導が原因であった。結論:CA治療が困難なCHD術後症例にATP機能付きdevice治療を組み合わせるのは有用であった。ATPには症例に応じた従来の設定変更が必要と考えた。