[OR07-4] 経皮的心房中隔欠損閉鎖術後頭痛と心室エネルギー効率変化の関連
キーワード:経皮的心房中隔欠損閉鎖, 頭痛, 心室エネルギー効率
【目的】経皮的心房中隔欠損閉鎖術(TC-ASD)後の約15%に頭痛を合併するがその原因は明らかではない。微小血栓やニッケルアレルギー等の要因に加え血管作動性因子の影響を検討するためにTC-ASD後の頭痛と心室エネルギー効率の関係を明らかにする。
【方法】TC-ASDを実施した177例中、術後1か月以内に頭痛を発症した47例と発症しなかった120例を対象とした。治療前から頭痛を合併した症例は除外した。閉鎖前と閉鎖1週間後における、心室収縮末期エラスタンス(Ees)、動脈有効エラスタンス(Ea)および心室エネルギー効率(SW/PVA)を、心エコー図検査から得られた左室容量とマンシェット体血圧から概算した。
【結果】頭痛群・頭痛なし群において肺体血流比(1.79[1.29-4.17] vs 1.87[0.43-4.39], P=0.76)、ASD最大径(11.2[4.5-26.2] mm vs 13.7[4.6-36.0] mm, P=0.26)に有意差はなかったが、頭痛群で有意に低年齢だった(10.0歳[5-73]vs 12.5[5-83]歳, P=0.016)。頭痛群では治療前後において、Ees (4.95[2.07-9.36]→3.98[1.60-12.06]mmHg/ml, P<0.001)、Ea(2.47[1.17-8.35]→2.15[0.98-5.18]mmHg/ml, P<0.001)は低下し、SW/PVA(81[62-88]→79[60-92]%, P=0.21)は変化がなかった。一方、頭痛なし群では、Ees(4.98[1.96-17.68]→4.83[1.78-13.82]mmHg/ml, P=0.69)は変化がなかったが、Ea(2.53[1.20-7.47]→1.96[1.03-4.07]mmHg/ml, P<0.001)は低下し、SW/PVA(79[63-89]→83[69-91]%, P<0.001)は増加した。多変量ロジスティック回帰分析では、TC-ASD治療後SW/PVA減少がリスク因子であった(オッズ比: 7.78, 95%信頼区間: 3.57-17.00, P<0.001)。
【結語】頭痛群は治療後Eesが低下し心室エネルギー効率の改善に乏しかった。TC-ASD後の頭痛は心血管不整合も一因と考えた。
【方法】TC-ASDを実施した177例中、術後1か月以内に頭痛を発症した47例と発症しなかった120例を対象とした。治療前から頭痛を合併した症例は除外した。閉鎖前と閉鎖1週間後における、心室収縮末期エラスタンス(Ees)、動脈有効エラスタンス(Ea)および心室エネルギー効率(SW/PVA)を、心エコー図検査から得られた左室容量とマンシェット体血圧から概算した。
【結果】頭痛群・頭痛なし群において肺体血流比(1.79[1.29-4.17] vs 1.87[0.43-4.39], P=0.76)、ASD最大径(11.2[4.5-26.2] mm vs 13.7[4.6-36.0] mm, P=0.26)に有意差はなかったが、頭痛群で有意に低年齢だった(10.0歳[5-73]vs 12.5[5-83]歳, P=0.016)。頭痛群では治療前後において、Ees (4.95[2.07-9.36]→3.98[1.60-12.06]mmHg/ml, P<0.001)、Ea(2.47[1.17-8.35]→2.15[0.98-5.18]mmHg/ml, P<0.001)は低下し、SW/PVA(81[62-88]→79[60-92]%, P=0.21)は変化がなかった。一方、頭痛なし群では、Ees(4.98[1.96-17.68]→4.83[1.78-13.82]mmHg/ml, P=0.69)は変化がなかったが、Ea(2.53[1.20-7.47]→1.96[1.03-4.07]mmHg/ml, P<0.001)は低下し、SW/PVA(79[63-89]→83[69-91]%, P<0.001)は増加した。多変量ロジスティック回帰分析では、TC-ASD治療後SW/PVA減少がリスク因子であった(オッズ比: 7.78, 95%信頼区間: 3.57-17.00, P<0.001)。
【結語】頭痛群は治療後Eesが低下し心室エネルギー効率の改善に乏しかった。TC-ASD後の頭痛は心血管不整合も一因と考えた。