[OR24-4] 高ビリルビン血症を呈した川崎病における治療後の分画を含めたビリルビンの推移の検討
キーワード:川崎病, ビリルビン, 胆管炎
【背景】川崎病における急性期の高ビリルビン血症は、不応リスクのひとつに挙げられ、その病態と関係する。治療後のビリルビン値の経過を分画に注目して追い、その病態について考察をした。
【目的】総ビリルビン(T-bill)高値の症例において、治療後の推移を分画に注目して評価する。【方法】2017年1月1日~2019年12月31日の期間に当院で治療を行った243症例のうち、総ビリルビン(T-bill)が1.0mg/dL以上であった31症例について検討した。治療開始日を0日目とし、その後のT-bill、直接ビリルビン(D-bill)、間接ビリルビン(I-dill)の数値を各々比較した。治療はpost RAISEstudy、PEACOCKstudyに従い、小林スコア5点未満の症例では免疫グロブリン製剤(IVIG)とアスピリン(ASA)、5点以上の症例ではIVIGとASAに加え、ステロイド投与(PSL)ないしステロイドパルス療法(IVMP)を行った。
【結果】小林スコア5点以上が25例あり、その全てがD-billが優位に上昇した。うち不応例が5例、1例が冠動脈瘤を形成した。いずれの症例も治療開始より1-2日後には、T-billは平均2.2mg/dLから0.6mg/dL、D-billは1.7mg/dLから0.4mg/dL、I-dillは0.5mg/dLから0.2mg/dLに速やかに低下した。T-billの低下量はIVIG反応群と不応群で有意差は認められなかった(P=0.64)。I-billが60.0%の低下に対し、D-billは76.4%の低下であり、T-billの減少のうち81.2%を占めていた。
【考察】D-dillが上がる原因は、門脈域の高度な炎症性細胞の浸潤や炎症性サイトカインにより胆管上皮細胞の機能障害による胆汁うっ滞である。また、I-billの上昇は酸化ストレスを反映している。今回の検討により、治療開始後に高ビリルビン血症は不応例含めたいずれの症例も速やかに改善したこと、分画ではよりD-billの低下の影響が大きいことは、血管内皮より門脈域含めた胆管の方がIVIGに反応性が良いといえる。
【目的】総ビリルビン(T-bill)高値の症例において、治療後の推移を分画に注目して評価する。【方法】2017年1月1日~2019年12月31日の期間に当院で治療を行った243症例のうち、総ビリルビン(T-bill)が1.0mg/dL以上であった31症例について検討した。治療開始日を0日目とし、その後のT-bill、直接ビリルビン(D-bill)、間接ビリルビン(I-dill)の数値を各々比較した。治療はpost RAISEstudy、PEACOCKstudyに従い、小林スコア5点未満の症例では免疫グロブリン製剤(IVIG)とアスピリン(ASA)、5点以上の症例ではIVIGとASAに加え、ステロイド投与(PSL)ないしステロイドパルス療法(IVMP)を行った。
【結果】小林スコア5点以上が25例あり、その全てがD-billが優位に上昇した。うち不応例が5例、1例が冠動脈瘤を形成した。いずれの症例も治療開始より1-2日後には、T-billは平均2.2mg/dLから0.6mg/dL、D-billは1.7mg/dLから0.4mg/dL、I-dillは0.5mg/dLから0.2mg/dLに速やかに低下した。T-billの低下量はIVIG反応群と不応群で有意差は認められなかった(P=0.64)。I-billが60.0%の低下に対し、D-billは76.4%の低下であり、T-billの減少のうち81.2%を占めていた。
【考察】D-dillが上がる原因は、門脈域の高度な炎症性細胞の浸潤や炎症性サイトカインにより胆管上皮細胞の機能障害による胆汁うっ滞である。また、I-billの上昇は酸化ストレスを反映している。今回の検討により、治療開始後に高ビリルビン血症は不応例含めたいずれの症例も速やかに改善したこと、分画ではよりD-billの低下の影響が大きいことは、血管内皮より門脈域含めた胆管の方がIVIGに反応性が良いといえる。