[P85-2] TGA動脈スイッチ(LeCompte)術後の大動脈弁上狭窄に対する肺動脈分岐部形成・modified simple sliding aortoplasty
Keywords:supravalvar aortic stenosis, arterial switch operation, transposition of the great arteries
【緒言】TGA動脈スイッチ術後の幼児期の大動脈弁上狭窄(SVAS)に対し自己組織のみによる修復を施行し、前方肺動脈の形成と併せ有用な方法と考えられ動画を供覧し報告する。
【症例】3才男児、TGA(I, Shaher1)に対し日齢9に動脈スイッチ(LeCompte法)施行。術後1カ月時SVAS(3.7m/s)、壊死性腸炎を発症し広汎な小腸・結腸切除、空腸瘻造設を施行、短腸症候群に対しIVH管理導入。術後9カ月、15カ月時SVAS(それぞれ59mmHg、66mmHg)に対しバルーン血管拡張を施行するも再度増悪を認め(62mmHg)、今回再手術となる。
【手術】腕頭動脈、大動脈弓部送血にて人工心肺確立し、弓部、両側肺動脈を可及的に剥離後、肺動脈分岐部天井に頭尾方向の切開を置き、上行大動脈を前方の肺動脈より可及的に尾側へ剥離後、大動脈遮断、心停止とする。
上行大動脈をSVAS上部で切断後、中枢側にLCA-RCA間のLCA側へST junctionを切開し、NC sinus(左後方)、NCC-RCC交連などの肥厚組織をslicing、一部肥厚壁を切除。新ST junctionの弓部側対向部となる遠位側大動脈小弯側後方を頭側へ切開延長し、5-0プロリン連続縫合にてsliding aortoplasty施行。
肺動脈分岐部天井の切開を前方および後方へ主肺動脈ST junction付近まで延長し、PA treeの左右方向への延長を得るように切開口を後方切開端より横幅の大きな滴状のエタノール脱水処理自己心膜により補填形成。術後腕頭動脈のthrill消失、SVASは2m/s以下に改善し手術終了。
【症例】3才男児、TGA(I, Shaher1)に対し日齢9に動脈スイッチ(LeCompte法)施行。術後1カ月時SVAS(3.7m/s)、壊死性腸炎を発症し広汎な小腸・結腸切除、空腸瘻造設を施行、短腸症候群に対しIVH管理導入。術後9カ月、15カ月時SVAS(それぞれ59mmHg、66mmHg)に対しバルーン血管拡張を施行するも再度増悪を認め(62mmHg)、今回再手術となる。
【手術】腕頭動脈、大動脈弓部送血にて人工心肺確立し、弓部、両側肺動脈を可及的に剥離後、肺動脈分岐部天井に頭尾方向の切開を置き、上行大動脈を前方の肺動脈より可及的に尾側へ剥離後、大動脈遮断、心停止とする。
上行大動脈をSVAS上部で切断後、中枢側にLCA-RCA間のLCA側へST junctionを切開し、NC sinus(左後方)、NCC-RCC交連などの肥厚組織をslicing、一部肥厚壁を切除。新ST junctionの弓部側対向部となる遠位側大動脈小弯側後方を頭側へ切開延長し、5-0プロリン連続縫合にてsliding aortoplasty施行。
肺動脈分岐部天井の切開を前方および後方へ主肺動脈ST junction付近まで延長し、PA treeの左右方向への延長を得るように切開口を後方切開端より横幅の大きな滴状のエタノール脱水処理自己心膜により補填形成。術後腕頭動脈のthrill消失、SVASは2m/s以下に改善し手術終了。