[TRO03-4] 終末期が予測された急性期にある児の同胞面会の大切さ
キーワード:急性期, 終末期, 同胞面会
【はじめに】今回、術後終末期が想定された児への看護として、同胞面会を取り入れた。その看護支援について、報告する。なお、本報告は当院倫理委員会の承認を得ている。【事例紹介】妊娠22週前胎児診断症例。最重症であるが、児の治療の可能性を求め、当院受診し、分娩。生後3カ月で、心内修復術。術前より、集中治療中不安定な状況も予測されることが説明されていた。術後補助循環を必要とする状況が続き、術後の回復が厳しい状態であった。【実践結果】1.同胞面会の調整:児の術後経過から、児が終末期を迎えることも予測されたため、同胞面会を検討した。カンファレンスでは、同胞が幼児~学童と児の治療状況に恐怖心を抱くのではないかと懸念する意見もあったが、両親からは、「妊娠継続の背景に同胞の意見があった」「キッズセミナーに長女が参加」「術後の児の状況は補助循環装置も含めて写真を見せている」ことから、面会は喜びのほうが大きいとの意見だった。しかし、「元気になったら会える」と話していることから、面会する理由をさがしていた。そのため、悲嘆的な面会ではなく、児を応援するための前向きな面会になるよう設定した。また、一緒になにができるかも事前に両親と相談した。2.同胞・家族と一緒にできたケア:同胞は、児に繋がっている機械に興味を示したため、児が頑張るのを助けるものだと、体外循環やドレーンについてわかりやすく説明を行った。清潔ケアも同胞交えて両親と一緒に実施。また、看護師が準備した色紙にクリスマスメッセージに書いてもらい、児の頑張りを家族・医療者全員で応援していることを伝わるよう関わった。児は、同胞・両親が見守る中、永眠された。【考察】今回、医師とも連携、予後を予測する中で、急性期においても児と同胞含めた“家族の時間”を実現し、児の頑張りを感じることができたことで、終末期の受容にもつながったと考える。