[II-P05-1-04] 当院における低出生体重児のカテーテル治療に向けたインファントハートチーム(IHT)の取り組み
キーワード:チーム医療, カテーテル治療, 多職種
【背景】2020年から低出生体重児に対する経皮的動脈管閉鎖術が開始となり、本治療では未熟児の病態の特殊性からインファントハートチーム(以後IHT)で最適な治療方法の検討が要件となる。【目的】当院のIHTの取り組み内容とその効果を後方視的に検証する。【実践内容および結果】1.当院のIHTの構成:診療科(小児循環器成人先天性心疾患センター・新生児科・麻酔科)、職種(医師・看護師・臨床工学技師、放射線技師)。 2.ブリーフィング:前日に準備(薬剤・処置・医療機器・カテ室の室温設定・ヒーター等)と治療フロー(出床準備~帰室)、体温管理方法等を確認した。3.事例1, 2:修正30週 1100g, 1200g(双胎)。4.デブリーフィング:治療前後のモニターの切り替えや点滴の移動に時間を要した。カテ室滞在時間の延長は、予備力の乏しい患児の負担であり、時間短縮が課題とされた。5.シミュレーション:デブリーフィングでの改善案を、実際の保育器や人形等を用いたシミュレーションで検証した。特に移動時の効率性と安全性を重視し、リネンの準備、輸液ルートの構成、シリンジポンプ・モニターの配置、シースの抜去場所等の細部まで確認した。6.事例3:修正29週 1200g 5のシミュレーションを踏まえ実施した。7.3症例の小括:事例1で末梢ラインの計画外抜去があったが、体温は全例で正常範囲を維持し、その他に有害事象はなし。NICU出床から帰室は、事例1,2は、125分・123分を要したが、事例3は75分へ大幅に短縮された。【考察】対象の脆弱性と施設内の設備を踏まえ、患児の負担の最小化・安全確保という課題を多職種で共有し、各専門的な立場から具体策を提案・検討したことで、大幅に治療時間が短縮された。今後、さらなる時間短縮を目指し、各部門間で治療フローの共通理解を深め、事前にNICUで実施可能な準備や処置の推進を検討している。