第59回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスター発表

教育・多職種連携

ポスター発表(II-P05-1)
教育・多職種連携

2023年7月7日(金) 09:50 〜 10:50 ポスター会場 (ポスター展示会場)

座長:宗村 弥生(山梨県立大学看護学部)

[II-P05-1-04] 当院における低出生体重児のカテーテル治療に向けたインファントハートチーム(IHT)の取り組み

藤野原 絢香1, 井出 由美2, 喜瀬 広亮3, 長谷部 義幸4, 大塚 康平4, 宮沢 篤生4, 細川 麻衣子5, 鈴木 完6, 清水 武3, 藤井 隆成3, 富田 英3 (1.昭和大学病院看護部, 2.昭和大学保健医療学部看護学科臨床看護学, 3.昭和大学病院 小児循環器・成人先天性心疾患センター, 4.昭和大学病院 小児科, 5.昭和大学病院 麻酔科, 6.昭和大学病院 統括臨床工学室)

キーワード:チーム医療, カテーテル治療, 多職種

【背景】2020年から低出生体重児に対する経皮的動脈管閉鎖術が開始となり、本治療では未熟児の病態の特殊性からインファントハートチーム(以後IHT)で最適な治療方法の検討が要件となる。【目的】当院のIHTの取り組み内容とその効果を後方視的に検証する。【実践内容および結果】1.当院のIHTの構成:診療科(小児循環器成人先天性心疾患センター・新生児科・麻酔科)、職種(医師・看護師・臨床工学技師、放射線技師)。 2.ブリーフィング:前日に準備(薬剤・処置・医療機器・カテ室の室温設定・ヒーター等)と治療フロー(出床準備~帰室)、体温管理方法等を確認した。3.事例1, 2:修正30週 1100g, 1200g(双胎)。4.デブリーフィング:治療前後のモニターの切り替えや点滴の移動に時間を要した。カテ室滞在時間の延長は、予備力の乏しい患児の負担であり、時間短縮が課題とされた。5.シミュレーション:デブリーフィングでの改善案を、実際の保育器や人形等を用いたシミュレーションで検証した。特に移動時の効率性と安全性を重視し、リネンの準備、輸液ルートの構成、シリンジポンプ・モニターの配置、シースの抜去場所等の細部まで確認した。6.事例3:修正29週 1200g 5のシミュレーションを踏まえ実施した。7.3症例の小括:事例1で末梢ラインの計画外抜去があったが、体温は全例で正常範囲を維持し、その他に有害事象はなし。NICU出床から帰室は、事例1,2は、125分・123分を要したが、事例3は75分へ大幅に短縮された。【考察】対象の脆弱性と施設内の設備を踏まえ、患児の負担の最小化・安全確保という課題を多職種で共有し、各専門的な立場から具体策を提案・検討したことで、大幅に治療時間が短縮された。今後、さらなる時間短縮を目指し、各部門間で治療フローの共通理解を深め、事前にNICUで実施可能な準備や処置の推進を検討している。