[II-P05-1-03] 長期入院しているEXCORⓇ装着患児に対する幼児期の集団保育
Keywords:EXCORⓇ, 小児, 成長発達
【背景・目的】当院では小児用体外設置式補助人工心臓システム(以下EXCORⓇ)を装着中の患児は、安全面を配慮し個室管理しているため、子ども同士の関わる機会が少ない。そこでEXCORⓇ装着患児の成長発達を促すことを目的として、子ども同士で関わることができる集団保育を開始したため集団保育の方法、集団保育が子ども達の成長発達に与えた影響を振り返り考察する。【方法】集団保育に参加した幼児期のEXCORⓇ装着患児2例の看護記録を後方視的に分析する。【結果・考察】週1回多職種で行われているVADカンファレンスにて集団保育の開催方法を検討した。集団保育の活動内容は保育士が作成し、保育士指導の元集団保育を実施した。集団保育は週1回リハビリの時間を使用し臨床工学技士・理学療法士・移植コーディネーター・看護師が参加した。多職種が参加し連携することで安全面に考慮しながら行うことができたと考える。集団保育開催当初患児らは話を聞けず、一人遊びしていることが多かった。しかし、徐々に話を聞き、説明に沿っての制作や、玩具の譲り合いもできるようになった。集団保育の場所をプレイルームにしたことで他患児との関わりが増えた。患児らは集団保育後、家族や医療者に行った内容を話す様子が伺え、病室では得られない喜びや楽しさを見いだせたと考える。このことから、集団保育での様々な体験を通して、幼児期の成長発達に必要な経験ができ、社会的生活習慣や対人関係能力を獲得できたのではないかと考える。【結論】集団保育にて様々な経験ができ、成長・発達を促すことができた。多職種連携を強化したことで安全性が担保できたが、今後複数の患児が集合することでEXCORⓇのドライビングチューブ類の事故や、感染症のリスクも考えられるため、随時検討を行い環境を整えていく必要がある。