[II-P06-5-08] 小児心臓カテーテル領域における臨床工学技士の清潔介助業務への関わり
キーワード:カテーテル治療, 臨床工学技士, 経皮的心房中隔欠損閉鎖術
【はじめに】当院では以前から小児心臓カテーテル検査,治療において臨床工学技士(CE)2名が業務にあたり,ポリグラフの操作,血液酸素飽和度の測定・記載,カテーテル物品の物出し等を行なってきた.さらに,2021年10月より小児カテ検査,治療において,臨床工学技士がサードアシスタントとして清潔介助に参加し,清潔野は従来の医師2名からCE1名を追加し3名で検査,治療を行なっている.【目的】CEが清潔介助を開始した前後の有用性及び安全性を検討した.【方法】2020年7月から2023年1月までに当院で施行された経皮的心房中隔欠損閉鎖術のうち,閉鎖デバイスを複数使用した症例を除く連続30例を対象とした.2021年9月以前の施行症例を非介入群(15例),2021年10月以降を介入群(15例)として治療時間(シース留置からシース抜去まで),合併症の有無,感染の有無を比較検討した.【結果】非介入群と介入群を比較して,治療時年齢(中央値8歳 5-41歳 vs. 中央値8歳 5-14歳, P=0.391),男女比(男8/女7 vs. 男5/女10, P=0.462)に有意差を認めなかった.治療時間はCE非介入群に比べCE介入群で有意に短かった.(77.6±25.8分 vs. 61.2±15.8分, p<0.05) また,合併症は非介入群での1例のみ,感染は両群ともにみられなかった.CE介入による治療におけるトラブルも発生しなかった.【結語】CEが清潔介助に入ることで,検査,治療の準備が迅速に行え,治療時間短縮に繋がる可能性が示唆された.また,医師と近い位置で治療に参加する事で,心疾患への病態理解が深まり,カテーテルのみならず,人工心肺等外科領域でも関わる中でより安全な体外循環にも繋がると考える.