[I-P01-1-09] 18トリソミー症候群に合併したファロー四徴症に対して右室流出路ステントを経て心内修復術を施行した一例
キーワード:18トリソミー症候群, カテーテル治療, 心内修復術
【諸元】近年、ファロー四徴症(TOF)に対するmodified Blalock-Taussigシャント手術(mBTS)に代わる姑息的治療として、カテーテル治療による右室流出路ステント(RVOTS)の有効性が報告されてきている。T18に合併したTOFに対してRVOTSを経て心内修復術(ICR)を施行した一例を経験したため報告する。【症例】在胎39週1日、出生体重1545g。T18、TOFの診断。出生後から無呼吸があり、日齢25よりベータブロッカーの内服、高流量酸素療法を開始した。日齢39にPGE1製剤を開始し動脈管の再開通を試みたが酸素化は改善せず、低体重・肺動脈低形成のためBTSは困難と考えられ、日齢46にRVOTS目的に前医より転院し、日齢51(体重2.0kg)にRVOTS(5mm×15mm)を施行した。酸素化は改善し、日齢65に前医へ転院し、日齢105に在宅酸素を導入し前医を退院した。生後11ヶ月時(体重3.5kg)に気道感染症を契機とした低酸素血症で前医へ入院し、挿管・人工呼吸管理が行われた。酸素化低下を回避するために、当院へ転院しステント拡張を施行した。Qp/Qsは0.93から1.43へ上昇し、術後4日に前医へ転院し、術後21日に退院した。2歳時(体重7.3kg)に再度カテーテルを施行し、ステント拡張を行った。その際、肺動脈の成長は良好であり、左室拡張末期容積は65.4%ofNormalと若干低値であったが、ICRは成立すると考えられた。両親にICRの強い希望があり、2歳6ヶ月時(体重7.5kg)にICR(心室中隔欠損パッチ閉鎖、開窓つき心房中隔欠損閉鎖、右室流出路ステント除去及び形成、肺動脈弁形成)を施行した。術後ECMO管理を要したが、術後4日にECMO離脱、術後20日に抜管、術後48日に退院した。【考察】低体重、肺動脈低形成、心外合併症を有する症例など、mBTSのリスクが高い症例において、RVOTSは有効な姑息術の選択肢になりうると考える。