第60回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

パネルディスカッション

パネルディスカッション9(II-PD9)
小児重症心不全患者に対する心臓移植・補助循環治療の適応限界

2024年7月12日(金) 08:00 〜 09:30 第5会場 (4F 413+414)

座長:石戸 美妃子(東京女子医科大学 循環器小児・成人先天性心疾患科)
座長:平 将生(大阪大学大学院医学系研究科 心臓血管外科)

[II-PD9-4] 体格や解剖学的特徴に応じたVADデバイス、サイズ選択について

平田 康隆, 小野 稔 (東京大学医学部附属病院 心臓外科)

キーワード:補助人工心臓, 心臓移植, 心不全

本邦における心臓移植数は他国に比べるといまだ少ないものの、全体としては近年増加傾向にある。小児においては、コロナ禍に伴って一時的に減少したものの、2023年から増加の兆しがみられている。成人においては、基本的には植込み型補助人工心臓による待機が基本であるが、体重の小さい小児においては体外式補助人工心臓(EXCOR)による院内待機が主となっている。しかしながら、国内でのEXCORの台数は限られており、場合によっては遠心ポンプによる補助が必要となったり、あるいは体重が許せばHeartMate3の選択も検討されることがある。また、EXCORにおいてもどの程度の体重でどのカニューラ、あるいはどのポンプを選択するかはボーダーラインケースでは悩むことも多い。また、拡張型心筋症に加え、最近では単心室を含む先天性心疾患に対する補助も増加しており、様々な工夫が必要とされている。これらについて、現在の日本における状況などについて概説を行う。