[III-P03-5-01] Thoughts on admitting adult patients with congenital heart disease to pediatric wards.
Keywords:先天性心疾患, 療養環境, 成人移行期支援
【背景】近年、医療の進歩により先天性心疾患患者も成人期を迎えている。小児専門のA病院においては、成人期を迎えた患者は系列病院への移行を支援しているが、成人医療側の受け入れが難しい現状がある。そのため、B病棟の成人患者の入院が増加傾向にあり、小児患者と同じ病室で入院せざるを得ない状況がある。【目的】B病棟に入院した先天性心疾患の成人患者に対し、質問紙調査を実施することで小児専門病院へ入院する成人患者の思いを明らかにする。【方法】期間:202X年5月~6月対象:先天的心疾患のある18歳以上の患者20名。患者自身で質問紙の回答・記入ができない場合は除く。方法:医療者の関わり・療養環境に対する思いを独自で作成した質問紙を用いて調査を実施。得られたデータを分析。所属施設の倫理委員会の承認を得て実施。 【結果】18~40歳までの20名から回答を得た。手術や検査目的の入院が多くを占めていた。入院中の環境について不満と回答はなかったが、個室での孤独感や子どもとの相部屋による恥ずかしさを感じていた。医療者からの説明には、80%が満足している一方で、親への説明はあるが自分への説明が不足していると感じていた。また、医療者の関りに半数以上が満足しているが、大人扱いされることに対しての思いを抱いていた。【考察】成人患者にとって、医療者が患者に配慮した入院環境を整えたり、関わったりすることで、療養環境や医療者との関りへの満足度は高かった。その一方で、大人としての関わりを希望する思いと大人として扱われることへの戸惑いの両価的な思いを抱いている。そのため、患者とゆっくり話が出来る環境を整え、信頼関係を築きながら患者の思いに寄り添い、個々の患者に合わせた関わりが必要である。【結論】成人期を迎えた患者は、小児専門病院での療養環境や医療者との関りに対する満足度は高い一方で、大人として扱われることに対する両価的な思いを抱いている。