日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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バイオメカニクス ポスター発表

[05 バーポー19] サッカーにおけるプレー状況の変化によるボールコントロールのバイオメカニクス的影響

〇永田 健太1、鑓田 春希1、牛山 幸彦2 (1.新潟大学大学院自然科学研究科、2.新潟大学人文社会科学系)

サッカーのゲームを構築する主要な技術の一つである「ボールコントロール動作」は、パスされたボールや飛来したボールの勢いをなくし、次のプレーへと繋げるための基本技術である。素早く次のプレーへ繋げることは、プレー時間を短くすることで競技力を向上させる戦術的要素の一つであると考えられ、ボールコントロールから次のプレーまでを一連の動作として考える必要がある。これまでトラップの瞬間に着目したボールコントロール動作の研究が多く行われているが、ボールコントロール前後の一連のプレーによる影響に着目したものが少なく、プレー状況の変化によるボールコントロールの要点については明らかになっていない。そこで、本研究ではインサイドを用いたクッションコントロールにおける次のプレーへの意識や、ボールを受ける前の身体移動がコントロール動作に与える影響および下肢の動作の特徴を明らかにし、指導の一助とすることを目的とした。
研究対象者は、サッカーの競技歴を8年以上有する20歳以上の大学生男子サッカー選手とした。モーションキャプチャシステムにより得られた体表マーカの座標位置から股関節、膝関節、足関節の角度を算出し、ビデオカメラにより得られたボール表面上マーカの座標位置からボールスピード、回転数を算出した。実験条件は① 立位状態からボールコントロールのみ、② 立位状態からボールコントロール直後に配球者に対してインサイドキックで返球する条件、③ 前方への走行後ボールコントロールのみを行う条件、④ 前方への走行後ボールコントロール直後に配球者に対してインサイドキックで返球する条件の4条件とした。
その結果、前方への身体重心移動や直後の動作に影響されずボールスピードを巧みに抑えている傾向が見られ、その際のコントロール動作の特徴について検討した。