The 71st Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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Poster (Subdiscipline)

専門領域別 » Biomechanics

バイオメカニクス ポスター発表

[05 バーポー18] 瞬時の選択を要求される投運動におけるボールリリース変数の協調

〇Yoichi Iino1, Shinsuke Yoshioka1, Senshi Fukashiro1,2 (1.University of Tokyo, 2.Japan Women's College of Physical Education)

 対人競技の多くの場面では、変化する相手や周囲の状況を瞬時に判断し、適切な行動を選択して、その選択した動作を再現性高く行っていく必要がある。しかし、このような運動において協調の程度がどのように変化するのかは明らかにされていない。本研究の目的は、的や動作について瞬時の選択を要求される投運動において、予め決められた的と動作について行う場合と比較して、ボールのリリース変数の協調がどのように変化するかを明らかにすることであった。
 被験者は、8年以上の野球経験を持つ健常男性4名であった。被験者の課題は、前方2.5、3、3.5、4mにある高さ0.67mのミニバスケットのうちLEDで指示したバスケットをねらって座位で硬式テニスボールを投げることであった。統制条件では3mと4mのバスケットをランダムに動作開始の約10秒前に的となるバスケットを指示した。一方、2的条件では、動作開始の音の合図と同時に3mと4mのバスケットからランダムに的を指示した。4的条件では、同様に4つのバスケットからランダムに動作開始の合図と同時に的を指示した。2つの動作条件では、動作開始の合図とともにLEDで上手投げと下手投げの動作を指示した。リリース時のボールの位置、速度、投射角度をリリース変数とし、その協調をランダマイゼーション法を用いて調べた。リリース変数をランダム化して計算したボール到達位置の標準偏差と標準偏差の実測値の比を協調の指標とした。4名中3名の被験者では、統制条件と比較して、2的条件と4的条件でボールの到達位置のばらつきは減少した。協調の程度は4名とも大きな差はなかった。一方、2つの動作条件では、4名の被験者とも到達位置のばらつきは増加し、協調の程度も低下した。投運動において、瞬時に運動の選択を要求されることがボールリリース変数の協調に与える影響は、選択肢の種類に依存する可能性が示唆された。