日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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体育方法 ポスター発表

[09 方ーポー35] サッカーコーチのトレーニング場面におけるコーチング行動の介入プログラム検証

ベースライン期における標的行動の測定

〇清水 智弘1、荒井 弘和2 (1.法政大学大学院人文科学研究科、2.法政大学文学部)

本研究では、サッカーコーチのコーチング行動であるインストラクションとフィードバックに対する介入プログラムの効果 (清水・荒井、2020) を検証する。実験計画としてシングルケースデザイン法のAB法を用いる。実験場面は対人トレーニング場面で、標的行動はシンクロコーチングで用いるインストラクションとフィードバックである。参加者は大学サッカーコーチ1名と大学サッカー選手70名である。介入プログラムは標的行動の理解と課題分析によるコーチング行動の具体化、強化の原理・行動の技法の理解とコーチングリストの作成、著者によるコーチング音声に対するフィードバックとインストラクション、参加者のセルフモニタリングとセルフチェックを実施した。行動の指標は各トレーニングにおける「具体的かつ端的なインストラクション・フィードバック」「抽象的または冗長なインストラクション・フィードバック」の4つであり、それぞれの生起頻度を測定した。社会的妥当性を検討するために選手によるコーチング評価と第三者であるコーチ育成の専門家による評価、自己評価を実施した。加えて、チームパフォーマンスの測定、介入プログラムに対する参加者への聞き取り調査を実施した。ベースライン期における標的行動の生起頻度を測定した結果、「具体的かつ端的なインストラクション・フィードバック」の生起頻度は低く、「抽象的または冗長なインストラクション・フィードバック」の生起頻度は高いことが明らかとなった。今後、介入プログラムを実施した結果、「具体的かつ端的なインストラクション・フィードバック」は生起頻度が高くなり、「抽象的または冗長なインストラクション・フィードバック」は生起頻度が低くなる行動変容が期待される。