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[学校保健体育-B-04] 高等学校における体育実技授業の実態調査(教,方)
大学生を対象としたアンケート調査から
高等学校における体育実技の意義や実施方法について、これまで評価はほとんど行われていない。そこで、5つの大学の1~2年生2485名を対象に、高校時代の体育実技について2020年に調査を行った。調査にはグーグルフォームを利用し、885名から回答を得た(回答率35.8%)。体育実技の必要性について、「生徒が意義を理解していなくても必要」53.2%、「生徒が意義を理解した上で必要(知らなくてもなくす必要は無い)」40.6%、「生徒が意義を理解していなければ不要」4.9%、「生徒が意義を理解していても不要」1.4%であり、大学生の約半数はその意義を問わず高校での体育実技が必要と答えているが、一方で約40%の大学生は体育実技の意義の重要性を認識していた。また、「体育実技を行う意義を理解して授業を受けていましたか」という問に対しては、「十分理解していた」18.2%、「ある程度理解していた」49.8%であり約70%は意義を理解していたが、「ほとんど理解していなかった」25.1%、「全く理解していなかった」6.9%であり、約30%は意義を知らずに受講していたことが明らかとなった。体育実技の意義を具体的に問う質問では、64.3%が「覚えていない、分からない」と回答した。さらに、「担当教員の指導について一番近いものはどれですか」という問に対しては、「先生からのアドバイスはあまりなく、見守っていることが多い指導」22.0%、「先生は授業の開始時と終了時のみで授業時にいないことが多く、生徒が中心となって行われていた」6.2%という回答であった。つまり、大学生の約28%は、高校時代の体育実技において教員の積極的な指導を受けていない可能性が示された。本調査結果から、高等学校における体育実技の実施は生徒に指示されているが、その意義の理解や授業方法に改善する余地があると思われる。