[11教-ポ-03] 学校体育における〈陣取りゲーム〉の教材設定に関する検討
タグラグビーとラグビーの学習を繋げるための困難性に焦点づけて
ボールゲーム系領域ゴール型において、現行中学校学習指導要領解説保健体育編では〈陣取りゲーム(タグラグビー)〉の取り扱いが可能となり、その結果、「小学校-中学校-高校の12年間の学びの一貫性」が考慮されることを受け、これまで以上に、体育授業で〈陣取りゲーム〉の実践ができると考えられる。ところが、〈陣取りゲーム〉の12年間の学びの検討には、数多くの課題が存在する。タグラグビー・ラグビーを〈陣取りゲーム〉の主たる学びの対象と位置づけた場合、小学校・中学校で扱うタグラグビーと、高校で扱うラグビーの学習の接続に関する検討は、その課題解決の必須要件の1つといえる。本研究では、12年間の〈陣取りゲーム〉の学習を目標として、タグラグビーからラグビーを繋げることの学習の困難性として、攻防時の身体接触(コンタクト)に焦点づけて、教師・ラグビー指導者らが考える、その学習を困難とする要因についての検討を目的とする。検討手順は、本研究の目的に関連する先行研究の確認を通して、タグラグビーからラグビーへ派生する際、攻防時の身体接触(コンタクト)の学びに関する課題抽出を行う。その後、その課題内容を基盤として、タグラグビーの授業実践を継続的に取り組む小学校教師・中学校教師及びクラブチーム(ラグビー)の指導者に対して、タグラグビーからラグビーに繋げることの困難性に関する実践上の課題についてのヒアリング調査を実施する。調査内容の分析を通して、タグラグビーからラグビーに繋げる学習の困難性の整理を行い、授業実践を通した検証のための基礎資料の作成を目指すこととする。