The 72nd Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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専門領域別 » 体育科教育学

体育科教育学 ポスター発表

Fri. Sep 2, 2022 11:30 AM - 1:00 PM 第一体育館バレーボール2 (第一体育館バレーボール)

[11教-ポ-13] 高校の体育授業における学習者が望む教師行動

体育学部所属の学生視点からの考察

*Kenshi Takizawa1 (1. Tokai Univ Shonan Campus)

児童生徒が体育授業を良いと感じる要因には、できるだけ多くの学習者に関わる、積極的な称賛や励まし、具体的な助言、理解可能な言葉の使用などの教師の行動が重要であるとされている(高橋2008)。体育を専門的に学ぶ学生は、一般学生と比べて体育授業に対して興味関心が高く、価値観も高いと考えられ、これらの学生が受けてきた体育授業、とりわけ教師の行動は、よりよい体育の授業を実施するための手がかりとなると考えられる。  そこで、本研究ではT大学体育学部の学生を対象とし、インターネットによる質問入力方式による調査と、オンライン面接方式による聞き取り調査を実施した。 インターネットによる質問入力方式による調査では、高校時に受けた体育授業における教師の行動について、因子分析を行い、その結果、アドバイス、励まし、フィードバックなどの「ポジティブな声掛け」と生徒への安全面の配慮や規律やルールを守らない生徒に対して叱るなどの「ネガティブな声掛け」の二つの因子に分類することができた。高校時に受けた体育授業における教師の行動因子の各因子関連項目の合計点を因子得点とし、学生と教師の性別ごとに平均値の比較を行い、結果は、教師の性別において「ポジティブな声掛け」で有意差が見られ (t(197)=2.283,p<0.05)、女性教師の平均値が高かった。 オンライン面接方式による聞き取り調査では、具体的な教師行動の中身を明らかにした。「ポジティブな声掛け」では、技能面や試合中の戦術面でのアドバイス、試合後における励まし、次の試合につながる具体的なフィードバックなどが確認された。「ネガティブな声掛け」では、競技をする前の体調面の確認、準備運動の履行や、爪の長さ、化粧についての注意、教師が指示したことを行わなかったことに対する叱責などがみられた。また、積極的に声かけをする教師に対して好印象をもっているという結果であった。