60th Annual Meeting in Autumn

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臨床(認定医・専門医)ポスター

歯周外科治療

臨床(認定医・専門医)ポスター
歯周外科治療

Sun. Dec 17, 2017 9:00 AM - 4:50 PM ポスター会場 (さくら)

DP-10~DP-12
(ポスター討論:12:00~12:50)

[DP-10] 広汎型重度慢性歯周炎患者に対し歯周外科処置で対応した一症例

A case report of surgical periodontal treatment for generalized severe chronic periodontitis patient

田内 明彦/Akihiko Tanouchi (田内歯科/Tanouchi Dental Clinic)

研修コード:2504

Keywords:広汎型重度慢性歯周炎、プラークコントロール、信頼関係の構築

【はじめに】広汎型重度慢性歯周炎患者に歯周基本治療,歯周外科治療,補綴治療を用いて良好な結果が得られた一症例について報告する。
【初診】2007年4月初診。58歳 女性 右下奥歯がぐらぐらして咬んだ時,動いて痛い。
【診査・検査所見】全顎的に歯肉の発赤,腫脹,出血を伴う深い歯周ポケットが認められた。PCRは91.7%,BOPは87.0%。レントゲン所見では,全顎的に顕著な水平性の骨吸収,部分的には垂直性骨吸収,根尖まで及ぶ骨吸収が認められる。
【診断】広汎型重度慢性歯周炎
【治療計画】1)歯周基本治療 2)再評価 3)歯周外科治療 4)再評価 5)口腔機能回復治療 6)SPT
【治療経過】07年4月~:歯周基本治療,抜歯(47, 37) 07年7月:再評価,右上OPE,抜歯(17) 07年11月:抜歯(27) 09年9月:抜歯(11, 24)
卵巣腫瘍摘出手術の為治療一時中断
10年10月:再評価,口腔機能回復治療 10年11月:SPTへ移行
【考察・まとめ】本症例は歯科治療に恐怖心があり,今まで治療が長続きしていない重度の歯周炎患者であった。恐怖心を無くすことに主眼を置き愛護的に対応することで,動機づけが奏功し,徹底的な感染の除去と良好なプラークコントロールにより歯周組織の安定が得られた。「一生涯自分の歯で食べる」ということを患者・術者の共通目標とすることで,信頼関係も構築され,患者さんに寄り添うことのできた症例であったのではないかと考える。