[P-KS-24-4] 健常者における足関節底屈最大反復回数と足関節底屈1RM値
Keywords:足関節底屈, 1RM, MMT
【はじめに,目的】
片脚立位での踵上げ回数によって足関節底屈筋力を評価する徒手筋力検査法は,臨床場面において広く利用されている。しかし,強大な足関節底屈筋力の測定は容易ではなく,底屈運動回数と底屈筋力の関連については十分に検討がなされていない。足関節底屈反復回数と足関節底屈筋力との関係が明らかとなれば,特殊な筋力測定装置を用いることなく足関節底屈筋力値を予測することが可能となる。そこで本研究では,足関節底屈最大反復回数と足関節底屈1RM値を計測し,足関節底屈回数の正常値について検討した。
【方法】
対象は,健常成人20名(男性10名,女性10名,年齢20.7±0.9歳,身長162.5±9.5cm,体重58.5±11.2kg)の両脚,計40脚とした。足関節底屈最大反復回数の測定では,まず立位にて膝伸展位で片側下肢を最大底屈した際の踵部底面の最高点を求め,その直下に水平からレーザーを照射した。つまり,最大底屈が行われない場合,レーザーが遮光されるように設定した。次いで片脚立位による踵上げ動作を最高点に到達するように疲労困憊まで繰り返し行わせた。2回連続で最高点に到達しなくなった時点で測定は終了し,反復回数を記録した。なお,膝関節の代償運動を防止するため膝装具によって膝関節を伸展位で固定した状態で行った。足関節底屈筋力の測定には,レッグプレスマシーンを用い,膝伸展位における最大足関節底屈筋力(1RM値)を同様の方法を用いて測定した。その測定値を被検者の体重で除した値(kg/kg)を足関節底屈筋力体重比として採用した。足関節底屈最大反復回数と足底屈筋力体重比の関連についてピアソンの相関係数検定を用いて検討した。危険率は5%未満とした。
【結果】
足関節最大反復回数は13.9±7.5回であり,徒手筋力検査法で定められる25回をクリアーした対象者は5脚(12.5%)であった。足関節底屈1RM値は94.0±20.3kg,足底屈筋力体重比は1.61±0.14 kg/kgであった。
足関節底屈最大反復回数と足底屈筋力体重比の間には,r=0.80の有意な相関を認めた(p<0.05)。
【結論】
足関節底屈最大反復回数と足底屈筋力体重比の間には強い相関が認められた。以上のことから,足関節底屈最大反復回数から足関節底屈筋力を予測することが可能なものと考えられた。しかし,今回健常者を対象としているにも関わらず底屈の反復回数は徒手筋力検査法で規定されている25回を大きく下回っていた。よって,健常者における底屈運動の反復回数については,再検討される必要があるものと考えられた。
片脚立位での踵上げ回数によって足関節底屈筋力を評価する徒手筋力検査法は,臨床場面において広く利用されている。しかし,強大な足関節底屈筋力の測定は容易ではなく,底屈運動回数と底屈筋力の関連については十分に検討がなされていない。足関節底屈反復回数と足関節底屈筋力との関係が明らかとなれば,特殊な筋力測定装置を用いることなく足関節底屈筋力値を予測することが可能となる。そこで本研究では,足関節底屈最大反復回数と足関節底屈1RM値を計測し,足関節底屈回数の正常値について検討した。
【方法】
対象は,健常成人20名(男性10名,女性10名,年齢20.7±0.9歳,身長162.5±9.5cm,体重58.5±11.2kg)の両脚,計40脚とした。足関節底屈最大反復回数の測定では,まず立位にて膝伸展位で片側下肢を最大底屈した際の踵部底面の最高点を求め,その直下に水平からレーザーを照射した。つまり,最大底屈が行われない場合,レーザーが遮光されるように設定した。次いで片脚立位による踵上げ動作を最高点に到達するように疲労困憊まで繰り返し行わせた。2回連続で最高点に到達しなくなった時点で測定は終了し,反復回数を記録した。なお,膝関節の代償運動を防止するため膝装具によって膝関節を伸展位で固定した状態で行った。足関節底屈筋力の測定には,レッグプレスマシーンを用い,膝伸展位における最大足関節底屈筋力(1RM値)を同様の方法を用いて測定した。その測定値を被検者の体重で除した値(kg/kg)を足関節底屈筋力体重比として採用した。足関節底屈最大反復回数と足底屈筋力体重比の関連についてピアソンの相関係数検定を用いて検討した。危険率は5%未満とした。
【結果】
足関節最大反復回数は13.9±7.5回であり,徒手筋力検査法で定められる25回をクリアーした対象者は5脚(12.5%)であった。足関節底屈1RM値は94.0±20.3kg,足底屈筋力体重比は1.61±0.14 kg/kgであった。
足関節底屈最大反復回数と足底屈筋力体重比の間には,r=0.80の有意な相関を認めた(p<0.05)。
【結論】
足関節底屈最大反復回数と足底屈筋力体重比の間には強い相関が認められた。以上のことから,足関節底屈最大反復回数から足関節底屈筋力を予測することが可能なものと考えられた。しかし,今回健常者を対象としているにも関わらず底屈の反復回数は徒手筋力検査法で規定されている25回を大きく下回っていた。よって,健常者における底屈運動の反復回数については,再検討される必要があるものと考えられた。