09:40 〜 10:00
[3A-02] 協創で再構成される野外観察
個人の表現活動と他者との学び合いが連動した外的世界の認知
キーワード:Field Observation, Perception, Co-Creation
本稿では、体験型野外観察学習プログラム「まちもじハント」の参加者の野外観察が協創によって再構成される過程を、まちもじハントを導入した授業の活動成果を基に確認した。その結果、まちもじハントの経験によって発生する野外観察の再構成には、2つの大きな特徴があることが分かった。視点の意図的な切り替え、風景の切り取り方の工夫の変化が見られること、他者と成果を見せ合って語り合うことによって採集方法に変化が見られることである。したがって、まちもじハントは、野外観察の工夫と採集結果の表出を繰り返す個人の修練過程と他者との学び合いを連動させた学習プログラムと言える。つまり、個人の表現活動と協創を何度も往還する活動は、野外観察の思考と態度を再構成し続ける過程であり、その再構成された野外観察は、外的世界の認知に高度化をもたらしていると考えられる。しかし、観察が再構成される過程で発生する現象を具体的に解明できてない。再構成される過程で発生する現象を具体的解明することで、外的世界にある自分以外のヒト、ヒト以外のモノゴト、これらとの相互作用で変化せられる自分自身の思考と態度を知る手がかりが見つかると考えている。