日本デザイン学会 第69回研究発表大会

講演情報

テーマセッション

[3B] 情報デザイン研究部会2「足元のWHYを問い直すデザイン」

2022年6月25日(土) 13:00 〜 15:00 口頭発表 第3会場

座長(テーマセッション):福田 大年(札幌市立大学)

14:00 〜 14:20

[3B-02] ことばを聴くことからはじめるデザイン演習の可能性

オンデマンド・ラジオで図解を学ぶデザイン演習を事例として

*横溝 賢1、原田 泰2、宮田 義郎3、三河 侑矢4、佐藤 あみか4、樋口 涼佳子4 (1. 札幌市立大学、2. 株式会社デザインコンパス、3. 中京大学、4. 札幌市立大学大学院デザイン研究科)

キーワード:Narrative Based Learning, On-Demand Learning Design, Reflect in Learning

「やって・みて・わかる(須永,2015)」行為は、デザインの本質的な解を見出す原理であると考えられている[1]。デザイン技法を教える授業者も、学習者の様子を見て個別に表現の意図を問い直すことから、自分の「こと」を内省する学びを促してきた。しかし授業のリモート化を境に学習者が映像・音声のミュート機能を使うようになり、授業者はこれまでのように「学習者がやってみている〈のを見て〉・わかろうとしている〈のを見て〉」授業を運営することが困難になった。筆者はこの「見えない」ことのもどかしさを感じ、これまでの授業運営が「見る」ことに依存していたことに気がついた。そして、図解を学ぶ授業のリモート化において「見る」ことから「語り聴かせる」ことにシフトしたオンデマンド・ラジオを試みることにした。その結果、ラジオ型授業(以下、ラジオ)の作品には、対面に比べ、内省的な問いから表現していく学びが多く見受けられた。本稿では、こうした「ことばを聴くことからはじめる」学びの態度が、制作物にどのように現れているのかを分析し、ラジオ型授業が学習者に与えた影響を考察する。