[PA-19] クレヨンを使用した3Dプリントモデルの仕上げ加工の提案
障がい者福祉施設におけるデジタルファブリケーション機器を活用した自主製品の開発報告
キーワード:Welfare for persons with disabilities, Digital fabrication, Crayon
全国の障がい者福祉施設では授産活動の一環として自主製品制作に取り組んでいるが、ものづくりに関する知識や設備が不足していることから、軽微なものづくりにとどまることが多く、オリジナリティのある製品が生まれにくい環境にある。そこで障がい者福祉施設において独自性のある製品開発を目標に、デジタルファブリケーションを活用した技術的な支援を行う。本稿では1軒の障がい者福祉施設を対象に、一定の品質で複数モデルが制作でき、安全かつ比較的安価であることを考慮し3Dプリンタを活用した。造形した3Dプリントモデルに対して施設利用者が手仕上げ加工を施し、一点一点オリジナルの製品を制作することで、デジタルのメリットにアナログの表現を取り入れた。手仕上げにおいては表現の自由度が高いクレヨンを用い、①やすりによる表面処理②クレヨンによる3Dプリント形状への着色③ニスコーティングを行った。実際に16名の施設利用者によってこれらの手仕上げ加工を実施し、その良点と課題点について考察した。