日本放射線技術学会 近畿支部 第61回学術大会

講演情報

一般演題

核医学①

2018年1月20日(土) 16:30 〜 17:10 第2会場 (2階 鳳凰の間(西))

座長:玉井 宏征(高清会 高井病院)、榎本 直之(国立病院機構京都医療センター)

16:30 〜 16:40

[36] 2検出器型SPECT装置19年の使用経験

*熊山 義孝1、室谷 和宏1、川本 春彦1、西奥 忠純1 (1. 和歌山県立医科大学附属病院)

【目的】1台の2検出器型SPECT装置を比較的長い期間(約19年間)使用する機会を得た.手元に残っていた,メンテナンス及び修理作業報告書を分析し,経年変化に伴う故障の傾向等の特徴をつかみ,将来の機器更新時期決定の一助とする.また,以前に行った1検出器型SPECT装置と傾向を比較した.

【方法】作業報告書より,(1)年別の修理件数を調べておおまかな経年変化を見る.(2)故障の内容を重症度別に分けて経年的な特徴をつかむ.分類は,装置が立ち上がらない等最も重症なもの(レベル5)から,モニターのみがちらつく等軽微なもの(レベル1)までの5段階とした.(3)以前に20年使用した1検出器型SPECT装置の場合と傾向が異なるか比較を行った.

【結果】故障の件数は9年目から14年目まで減少し,15年目からは再び増加する傾向が見られた.1検出器型の場合は7年目から12年目まで減少し,13年目から再び増加する傾向であった.重症度別では2検出器型が8年目と17年目に重症度の高い故障が多かったのに対し,1検出器型では8年目と15~16年目に多かった.また故障の特徴としては,1検出器型ではほとんど無かったコリメータ交換に関するものが全体の14.5%,新たな自動近接機構に関するものが18.7%あり,2検出器型SPECT装置特有のものが目立った.