The 27th Kinki Association for Clinical Engineers

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シンポジウム

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シンポジウム3

Sat. Sep 25, 2021 12:30 PM - 2:00 PM No.2 site (ZOOM)

座長:恩地 隆(社会福祉法人恩賜財団 大阪府済生会富田林病院 医療機器管理室)、吉田 幸太郎(大阪大学医学部附属病院 臨床工学部 )

12:30 PM - 12:40 PM

[SY3-1] コロナ禍における臨床工学技士に求められる呼吸療法の知恵と技 〜重症度分類別施設におけるCEの役割〜

*中村 有希1 (1. 大阪大学医学部附属病院 臨床工学部 )

新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019: COVID‒19)を発症した約5%の患者は、集中治療室にて人工呼吸管理などの治療が必要となる。このような重症な患者を受け入れている当院では、30床ある集中治療部の一部をCOVID-19重症患者専用にして治療にあたっている。

COVID-19を発症した重症患者の治療は、人工呼吸管理、腹臥位療法や体外式膜型人工肺(Extracorporeal Membrane Oxygenation: ECMO)などの専門的な知識や技術だけでなく、装着に慣れていない不織布ガウンやフェイスシールドなどの個人防護具(Personal Protective Equipment: PPE)が必要となるため、医療従事者の精神的なストレスや極度の疲労が問題となる。また、人工呼吸器を必要とする重症患者が増えることによる医療用ガスや医療材料の不足、さらには、不適切な医療機器の運用による2次感染なども問題となるため、これらの状況を十分に把握し、適切に管理・運用することは医療提供体制を維持する上で重要な課題となる。

そこで当院では、感染防御と医療スタッフの負担軽減を目指して、①病室外から設定変更やアラーム確認を可能としたデュアルスクリーン型の人工呼吸器の導入、②自動ガスフラッシュ機能とモニタリングが充実したECMO装置を導入し、患者への接触回数の低減と負担軽減を実現した。また、医療機器や医療材料の管理・運用に関しては、①医療用ガス削減のために酸素消費量の少ない人工呼吸器の選択、②2次感染を予防する医療材料の選定と適切な医療機器の運用を定め、医療提供体制の維持に努めた。
今回は、大学病院で行われているCOVID-19重症患者に対する呼吸療法に関する業務と取り組みについて紹介し、COVID-19対応において見えてきた呼吸療法業務の課題について一緒にディスカッションしたいと考えている。